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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

東京オリンピックの野球競技が間もなく開幕。日本のペナントレースとは異なるルールや決まりごとはあるのか?

 

7月28日から東京2020オリンピックの野球競技が開幕します。大会を前に「ルールが発表された」というニュースを目にしましたが、日本のペナントレースと何か異なる部分はあるのでしょうか。

 東京オリンピックの野球のルールは7月5日にWBSC=世界野球ソフトボール連盟より発表されました。基本的には公認野球規則に則って行われますが、特別ルールとして細かく定められています。ここではその中からいくつか紹介しましょう。

 まず延長規定です。東京オリンピックでは引き分けがなく、延長10回以降は「タイブレーク制」が採用されます。ノーアウト一、二塁から、継続打順で攻撃が始まることになります。08年に行われた北京大会でもタイブレーク制が採用されていましたが、このときは延長11回からでした。

 続いてコールドゲームです。試合は5回以降に15点差、7回以降に10点差がついた時点で「コールドゲーム」となりますが、メダルの掛かった決勝と3位決定戦では適用されません。

 そして判定に異議がある場合、監督が審判団に対してチャレンジ(リプレー映像による検証)を要求できます。審判団によるリプレー検証も採用されます。

 さらに試合時間短縮のためのルールが採用されており、ランナーがいない場合のピッチャーの投球間隔は20秒以内、監督や投手コーチがタイムを取ってマウンドに行く場合は30秒以内、ピッチャーの交代とイニング間の攻守交代は90秒以内に制限されます。このため選手やベンチから見える場所に時計が設置されることも定められています。

 使用されるボールは日本のプロ野球ではミズノ社製の統一球ですが、東京オリンピックではWBSC公認球のエスエスケイ社製のボールが使用されることとなっています。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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