9月30日のロッテ対オリックス(ZOZOマリン)の9回表、1対3から2点を追うオリックスは二死一、三塁からT-岡田選手が右翼スタンドへ、逆転の3ランホームランを放ち、劇的な勝利を収めました。この場面、ロッテサイドからT-岡田選手が一塁ベースを踏んでいない旨、アピールがなされ、一塁塁審はセーフの判定。その後、リプレイ検証の結果、やはりホームラン(一塁の触塁)が認められました。仮にT-岡田選手が一塁を空過し、ロッテのアピールが認められた場合、どうなりますか。 フェンスオーバーを放った打者の一塁空禍が認められたのなら、打者はアウトとなり、質問のケースではこれが第3アウトですから、走者2人がホームを踏んでいたとしても、得点は認められません。つまり、3対1、ロッテの勝利でゲームセットとなります。
“得点の記録”について定めた野球規則5.08(a)には
「3人アウトになってそのイニングが終了する前に、走者が正規に一塁、二塁、三塁、本塁に進み、かつこれに触れた場合には、その都度、1点が記録される」とありますが、これには【例外】の規定があります。
「第3アウトが次のような場合には、そのアウトにいたるプレイ中に、走者(1、2にあたる場合は全走者、3にあたる場合は後位の走者)が本塁に進んでも、得点は記録されない」として、
「(1)打者走者が一塁に触れる前にアウトにされたとき」とあります。
また、【5.08原注】規則説明には
「打者走者のアウトが一塁に触れる前のアウトの形をとり、それが第3アウトにあたったときは、たとえ他の走者がそのアウトの成立前か、あるいはそのアウトが成立するまでのプレイ中に本塁に触れていても得点は記録されない」との記述もあります。こちらからも、問題のシーンでは得点が記録されないことが分かると思います。[文責=編集部]