その男の選手名鑑の寸評には次のように書かれていた。
「投手としても140キロを投げるが、篠塚(
巨人)ばりの打撃センスを買われて外野手に。打点が試合数を上回る強打者だ」
1992年、愛工大名電高からドラフト4位で
オリックスに入団した
鈴木一朗の寸評だ。94年に当時の
仰木彬監督によって登録名をイチローと変え、史上初の200安打超えを果たして一躍スターダムを駆け上がった。同年から7年連続首位打者に輝き、メジャーへ移籍。異国の地でもヒットメーカーぶりを発揮して、現在までメジャー通算3000安打に届こうかという数字を残している。
先日、新天地となるマーリンズの入団記者会見が行われた。日米通算24年目のシーズンを迎えることになったが、プロ1年目当時、鈴木一朗が40歳を超えてメジャーのユニフォームを着ていることなんて誰も想像はできなかっただろう。
今号は2015年度の選手名鑑号となる。育成選手も合わせれば800名以上選手が掲載されているが現在は無名でも将来、球界の顔となる原石が潜んでいるはずだ。じっくりと、この選手名鑑号を楽しんでいただきたいと思う。