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岡江昇三郎

坂本、バレンティンの“逆転弾”の打ち合いから本塁打の根源的魅力を探る

 

4月27日の巨人戦[神宮]、ヤクルトの四番・バレンティンが6回に逆転3ランを放った[写真=内田孝治]


 今年は去年に比べてホームランがよく出ている。試合消化は各チームでバラつきがあるから、機械的に4月27日現在で今年と去年のホームラン数を比較してみよう。セ・リーグは、今年=101、去年=47。パ・リーグは、今年=93、去年=45。今年と去年で、4月27日現在では、各チーム、去年の方が3、4試合少ないのだが、それにしてもこれは極端な差である。「ボールが変わったのでは?」の疑いの声が挙がるのはもっともなのだ。

 ここでは、本数の多少の問題をタナ上げにして「ホームランの魅力とは何だろう?」という、根源的なところから考えてみよう。「考えるヒント」として絶好のケースが、4月27日のヤクルト-巨人戦[神宮]であった。ヤクルト・小川、巨人・菅野の“無敗ルーキー”同士の投げ合い。巨人は、6回表に坂本の2ランで2対1と逆転したが、その裏、今度はバレンティンが3ランしてヤクルトが逆転。結局、4対2でヤクルトが巨人を破った。

 小川は、坂本の右へ技の一発で、プロの打球の怖さと、1点勝負の怖さを知っただろうし、菅野は、打たれたことのない内角低めいっぱいの144キロのワンシームを逆風をものともせず左にたたき込まれたことで、外国人打者がなぜ日本のプロ野球に必要とされるのかを身にしみて分かったはずだ。

「甘い球ではなかったよ。これも教訓」とは巨人・原監督だが、菅野の心と体には教訓以上の“何か”が残ったと筆者は思う・・・

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プロ野球観戦歴44年のベースボールライター・岡江昇三郎の連載コラム。

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