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松井秀喜氏に望むこと。巨人監督よりも「国際担当コミッショナー補佐」がふさわしい。それもなるべく早く

 

巨人宮崎キャンプでの松井氏[左]と長嶋茂雄巨人終身名誉監督。右は原辰徳監督。ミスターがやれなかったことを松井氏に託したい/写真=大泉謙也


 先日、子役スターとして活躍したアメリカの元女優、シャーリー・テンプルさんが85歳で亡くなった。大正生まれの筆者の母親は「テンプルちゃんは、かわいかったのよお」とよく話してくれた。戦前のテンプルちゃんの人気はすさまじいほどだったそうで、母はその出演作が来ると必ず観に行ったという。アメリカのみならず、世界中の少女(少年も?)たちのスーパーアイドルだった。

 21歳で銀幕から引退したというから、まあ、自分がどういう存在であるか、また、その存在以外ではあり得ないか、というのがよ〜く分かっていたのだろう。

 日本で天才子役と言えば、高峰秀子、中村メイコといった名前が浮かぶが、お2人は、ず〜っと芸能界で仕事をしたが、テンプルちゃんは違った。その知名度を生かしての起用だったのかもしれないが、74年にガーナ大使、89年には旧チェコスロバキア大使を務めている。

 彼女の人生を強引に野球選手の一生に引き寄せてみると、高校野球でファンのアイドルとなるが、プロ野球の世界に入らず、熟年になってから、NPBに招かれて、国際関係の業務を担当した――といったところだろうか。

 巨人キャンプで、2月13日まで指導した松井秀喜氏を見ていて「テンプルちゃんのコースを歩めば」と思ったものだった。松井氏は甲子園でもプロでも大スター。アメリカに渡っても名門ヤンキースの四番を任されたこともあり、09年のワールド・シリーズではMVP。

 こういう存在に最もふさわしい役目は、外国の野球界に向けての“日本の顔”になってもらうことではないだろうか。筆者は、松井氏が「巨人監督」というポジションを選択することに反対はしないが・・・

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岡江昇三郎のWEEKLY COLUMN

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プロ野球観戦歴44年のベースボールライター・岡江昇三郎の連載コラム。

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