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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「梅野に伝えたこと」

 


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梅野には責任感と使命感を忘れずに絶対的な正捕手へと成長してほしい/写真=松村真行


“功は人に譲れ”の女房役がキャッチャー


 先日、阪神梅野隆太郎と食事をする機会があった。たまたま西岡剛に私と共通の知人がおり、会食の際、彼が梅野を伴ってきたのだった。

 梅野は以前球場で、わざわざ私のところへ挨拶しにきたことがある。梅野と私の間には縁もゆかりもなかったから、単純に“キャッチャーの先輩”として立ててくれたのだろう。プロ入り4年目の、26歳。今季はほぼ全試合に出場し、正捕手に定着するまで成長した。

 さて、われわれの食事の席は、すっかり野球談議になっていた。私が梅野に最も伝えたかったのは、“責任感と使命感”についてだった。この2つが、選手を伸ばす。特にキャッチャーは、守りにおける監督の分身である。そればかりか、グラウンドにおいては監督以上の仕事をしなければならない。だからこそ、キャッチャーにはこのポジションにふさわしい責任感と使命感が必要だ。グラウンド上の“監督”としての責任感。そして、「優勝チームに名捕手あり」と言われるほどの使命感。

 球史において、日本一になるチームには必ず名捕手がいた。あのV9巨人でさえ、ON(王貞治長嶋茂雄)ばかりが目立っているが、陰の立役者は森昌彦(現・祇晶)だった。西武の黄金時代においても、伊東(伊東勤=現・ロッテ監督)の存在が非常に大きかった。手前味噌だが私もそういった責任感、使命感においては自負するものがあった。だからこそ1977年、南海を退団するとき、球団にこう言って去ったのだ。

「私のクビを切るのは結構ですが、最後にうぬぼれを・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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