2002年夏の甲子園で明徳義塾高のキャプテンを務め、優勝を遂げた。そして、15年のヤクルト優勝時には選手会長としてリーグ優勝に貢献。明るく大きな笑顔でチームメートから信頼を集めたムードメーカーは、すっきりとした表情でユニフォームを脱いだ。 取材・文=阿部ちはる、写真=川口邦洋、BBM 動く気にならないほどやり切ったプロ野球人生
9月28日の神宮最終戦(対DeNA)は森岡良介の現役生活最終戦ともなった。試合後にはファンの前で「14年間、ヤクルトでは8年間野球をやらせていただきました。もう、お腹いっぱいです!」と話したが、まだ32歳だ。少し早い決断にも感じるが、山あり谷ありの森岡のプロ野球人生を振り返ってもらうと、お腹いっぱい、の本当の意味が見えてくる。 「こんなんしてくれると思わなかったです。うれしいですね」と、この写真を見ながらしみじみと語った
──引退してから1カ月ほど経ちました。今の心境を教えてください。
森岡 (引退)試合が終わってから数日間は本当に気持ちがラクでしたね。いろいろ考えずに寝れたし、久々に何も考えず起きれましたから。それまでは常に不安を持ちながら過ごしていたので。
──不安、というのは?
森岡 どうやったらうまくできるのかなとか、今日はうまくいくのかなということを常に考えていました。そういうことを考えなくてよかった数日間だったので、すごくラクでしたね。
──体を動かしたくなってきたのではないでしょうか。
森岡 いや、まったくないですね(笑)。動かないと気持ち悪いんかなと思っていたんですけど、いざ引退すると、動く気にならないです(笑)。そう思えるほど、やり切った感じなのかもしれません。
──森岡さんの中で引退の2文字が浮かんだのはいつごろからだったのでしょうか・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン