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2021ドラフト指名選手クローズアップ

オリックス4位・渡部遼人(慶大/外野手) 職人気質を追求してきた盗塁成功率&守備率10割

 

25年ぶりのパ・リーグ制覇を遂げたオリックス。日本シリーズではヤクルトに惜敗したが、堂々の戦いぶりだった。来年こそ、悲願の日本一を目指す中で、2つの強力なツールが加わることになる。
取材・文=岡本朋祐 写真=矢野寿明

この1年間で、打撃が急成長。今秋は初めて打率3割越え(.359)を果たし、初のベストナインを満票で受賞している


 守備と走塁にスランプはない、と言われる。渡部遼人は大学4年間8シーズンで、この2つの分野をノーミスで終えた。1年春から東京六大学リーグ戦に出場して、4年秋まで77試合で無失策の不動の中堅手。50メートル5秒9の俊足を生かした広い守備範囲で、どんな打球も難なく処理する。神宮での「渡部エリア」は、語り草となっていたほど。就任2年目の慶大・堀井哲也監督は三菱自動車岡崎、JR東日本を率いた社会人時代を含めて、渡部の守備力を「前後、左右に、スローイングと欠点がないセンター。私が指導してきた中でNO.1です」と認める。

 異次元のスピードを生かし、次塁を狙い、走ることに意欲的だった。リーグ戦通算24盗塁で失敗ゼロ。30年ぶりの春秋連覇を遂げた今秋のリーグ優勝後の記者会見で、渡部は達成感を語っている。「1年時から自信を持ってやってきた。とにかく、チャンスをつくる意味で走っています。アウトにならず、チャンスをつぶさず、流れを持っていける選手に近づけたのかな、と。アウトにならなかったことは一つ、自信にしていきたい」。

年末年始返上で“秘密特訓”


 世田谷西シニアでプレーしていた中学1年時、高校野球の夏の神奈川大会を観戦した。

「保土ケ谷球場で桐光学園高の試合を見ると、ゲーム運び、プレースタイルを見たときに・・・

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ドラフト指名選手クローズアップ

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ドラフトで見事に指名を勝ち取った選手たちに焦点を当てる短期集中連載。

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