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第26回 不確定さの創出を――感動を呼ぶ意外性のあるドラマの必要性

 

 23年ぶりのリーグ優勝を目指す広島が快進撃を続けている。昨シーズンは16年ぶりのAクラスと球団史上初となるクライマックスシリーズ(CS)進出を達成。チームの勢いは一過性ではなく、ペナントレースの主役となり得る本物の強さをにじませている。

 日本野球機構(NPB)は5月2日、開幕からホームとビジターの対戦が一回りした第1クール終了時点のセ・パ両リーグの観客動員数を発表した。広島は前年度の同時期比で14.8パーセント(1試合平均2万2114人)増加し、リーグ全体でも4.8パーセント増(同2万8089人)。消費税増税の影響も感じさせず、プロ野球は近年にない盛り上がりを見せている。

 プロ野球活況の一つの要因として挙げられるのは、弱かったチームが首位をひた走っている“意外性”だろう。古くからのファンはこれまでの鬱憤を晴らす待ちに待った時であり、その熱狂が新たな支持を生む。全国的に広がりつつある「カープ女子」の存在も、男たちの足を球場に運ばせるきっかけとなっている。

 シーズン前の下馬評では、圧倒的な戦力を誇る巨人が独走するという見方で固まっていた・・・

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