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平井克典(ホンダ鈴鹿・投手) プロの道へとつながる先発完投のこだわり

 

大卒3年目右腕が“ドラフト対象”として、きっちり結果を残した。今夏の都市対抗では2勝を挙げ、8強の原動力。サイドから腕が出てくるやや変則タイプは、上のステージでも重宝がられるはずだ。
取材・文=大平明、写真=高原由佳

左打者の内角にスライダーを投げ込む強気のピッチングは、元来の負けず嫌いの性格が影響している


高校は2番手投手、大学は長らく二部


 今夏の都市対抗野球でベスト8に進出したホンダ鈴鹿。エースとしてマウンドを任されたのは、2年前の東京ドームでは登板機会に恵まれず「本当に悔しい思いをした」という平井克典だった。JFE西日本との1回戦は「緊張してしまい硬さがあった」と振り返るが、「悪いなりに投げられた」と、8回を投げて4安打1失点。2回戦も、昨年4強の王子を相手に好投。2点リードの終盤8回は一死から走者を許すが、代打の神鳥猛流(中部大)を三振。続く前田滉平(駒大)も3ボールからストレートで2つストライクを取るとラストボールは外のスライダーで注文通りの空振り三振。9回途中まで投げ、10奪三振で無失点に抑えた。

 平井といえば、サイドハンドに近いスリークオーターから投じられるスライダーが代名詞。左打者のヒザ元にも臆せず投げ込むのが身上だが「自分の生命線は右打者のインコース、左打者のアウトコースを突くストレート」と話すとおり、両サイドを広く使った投球で、大会通算では16回を投げ16奪三振。被安打は9で、防御率0.56という見事な成績を残した。

「強いチームが相手でも、自分の投球が通用しているので、自信になります」と、平井本人も確かな手応えを口にしている。

 今年、一気に飛躍を遂げた平井だが、昨シーズンまではなかなか実力を開花させることができずに苦しんだ。静岡の飛龍高時代は背番号10の2番手投手で、愛知産大では二部で長らくプレーした。ホンダ鈴鹿でも入社後すぐに社会人野球のレベルの高さを感じて壁にぶち当たり「このままでは野球人生が終わってしまう」と、危機感を抱いた。転機はフォームを改造したこと。

「社会人1年目の夏を過ぎたころから、腕の位置を下げて投げるようにしました。すると、真横に曲がる軌道のスライダーが投げやすくなりました」

 また、甲元訓監督(法大)も当時、チームを支えていた守屋功輝(阪神)と土肥寛昌(ヤクルト)の2投手がプロ入りしたことで「穴を埋められないのなら、ほかの投手を使う。やりたいヤツが出てくればいい」と反骨心を煽る一方、秋の日本選手権では平井をマウンドに送り「たった1人だけでしたが、あえて左打者に起用しました」と、期待を込めていた。

打者が打ちづらいフォームを模索し、サイドハンドに近いスリークオーターから投げるようになった


1球で仕留める投球術と打者との駆け引きが課題


 首脳陣の思いに応えるように2年目はチームの主戦となった・・・

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