一度は、野球をあきらめかけた時期もあった。だが、恩師の一言により発奮し、上のステージを再び目指した。長く現役生活を続けるため、指名順位によっては「残留」の選択肢もあるという。
取材・文=上原伸一、写真=桜井ひとし

「変則フォーム」への改造が飛躍のきっかけ

　足を上げたら軸足に全体重を乗せ、ステップと同時に蓄えられたパワーを一気に移す。角田皆斗の投球フォームは「変則」とも称される。ただ、もともとこのフォームだったわけではない。栃木工高、そして専大を通じて3年までは「きれいに投げたかったので、オーソドックスなフォームでした」。高校3年夏に県4強に進出して注目された右腕も、大学では伸び悩んだ。3年間で5シーズン過ごした東都二部でも勝ち星なし。自分に対し、見切りをつけていた角田は「大学で野球はやめるつもりだった」という。

　そんな角田に「野球を続けるぞ」と声をかけたのが、新指揮官として専大にやって来た齋藤正直監督だった・・・