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藤谷勇介(延岡学園高・投手)“上の世界”を目指して――。

 

1年生の夏に143キロをマークした右腕は、度重なるケガもあり本領を発揮することができぬまま、最終学年を迎えようとしている。プロの道へ進んだ兄の存在を大きな刺激としながら、逆襲の、そして未来へ向けたステップの1年とする。
取材・文=杉浦多夢、写真=BBM

一足早くプロの世界へ飛び込んだ兄の背中を追い、最後の夏へ向けて腕を磨いている


不運なケガの連続で余儀なくされた足踏み


 ようやく、光が差し込み始めた。中学時代は軟式ながら最速142キロをマーク。地元・山口では知らぬ者がいない右腕だったが、高校に進学後はアクシデント続きで本領を発揮できないまま、2年の月日が過ぎようとしている。だが、最後の夏へ向け、輝きを放つ準備が整った。

 山口県周南市出身。2人の兄にまじって幼稚園からボールを追いかけ始めた藤谷勇介が、福川野球スポーツ少年団で本格的に投手へ取り組み始めたのは小学5年のとき。みるみる頭角を現していき、素材では今年ドラフト8位で阪神へ入団した次兄・洸介よりも上だと評されていた。

 そんな地元のスターが宮崎の延岡学園高を進路に選んだのは、先を見据えた意識の高さゆえだった。「中学2年のときに延岡学園が(2013年夏の)甲子園で準優勝して。そこから興味が湧きました。練習とかを見させてもらうとすごくメリハリがついている。ここで3年間頑張れば、上の世界を目指せるのではないかと思って」。上の世界――。もちろん、プロの舞台のことだ。

 高校に入ってからの歩みは、順調とは言えなかった。1年生の6月、打球が胸骨を直撃してヒビが入った。1カ月で復帰を果たし、8月の広島遠征では自己最速の143キロを記録したものの・・・

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