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横山楓(国学院大・投手) 度重なるアクシデントを力に変えた149キロ右腕

 

今年、ヤクルトに入団した1学年先輩・清水からエース番号「18」を譲り受けた。ラストシーズンの今秋はダブルエースを形成する吉村貢司郎(4年・日大豊山高)と切磋琢磨し、リーグ優勝を目指すのみ。責任と自覚を持ってマウンドに上がる。
取材・文=佐伯要 写真=BBM

精悍な表情からも、チームをけん引していく姿勢が見えてくる/写真=佐伯要


 中学時代は、2番手投手だった。公式戦では1勝しただけ。勝利投手になった試合を、宮崎学園高・崎田忠寛監督が視察していた。その縁がきっかけとなり、野球人生が開けた。

 それからというもの、横山楓は何度もケガやアクシデントを経験してきた。「よりによって、こんなときに……ということが多いですね」と、苦笑いする。

 高校1年の冬には腰を痛めた。約2カ月、投げられなかった。その間に崎田監督から体幹トレーニングを教わり、鍛えた。ケガの功名とは、このことだ。入学時は120キロ前半だった球速が、2年春に140キロを超えた。3年春に140キロ台後半を計測。プロ注目の右腕となる。

 3年夏。宮崎大会の1週間前に虫垂炎を患い、入院した。手術はせずに薬で散らし、初戦の3日前に退院。万全ではなかったが「エースとして期待に応えたい」と、マウンドに立った。初戦(2回戦)は先発を回避したものの、救援として登板。3回戦以降は全試合で先発して、チームを初の決勝へと導く。宮崎日大高との決勝では、宮崎産経大・杉尾剛史(4年)らと投げ合い、4回途中5失点で降板し、甲子園出場を逃した。「悔しかった。でも、次にレベルの高い大学で野球ができるのが、楽しみでもありました」。

 早い段階から大学進学を決めており、プロ志望届は出さずに国学院大へ進む。

 大学の練習に合流して2日目、腰痛が再発した。1年半もの間、思うように動けず、つらかった。それでも「大学生活は4年間ある。3年になって(リーグ戦で)投げられるようになれば・・・

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