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小中健蔵(西南学院大・内野手)剛柔を兼ね備えた安打製造機「弱気は最大の敵。厳しい状況のときこそ『オーラ』を消したくない」

 

侍ジャパン大学代表24人には入れなかったが、代表候補合宿で得た経験は財産だ。大きなステージでこそ輝く存在。ラストシーズンは主将として勝利へ導くとともに、自身の夢をつかんでいく。
取材・文=岡本朋祐 写真=BBM

受け答えに落ち着きがあるのも、幼少時に空手を経験したのが大きいという


 九州六大学リーグは今春までに福岡大が60回、九州国際大が50回優勝という「2強時代」が続いてきたが、西南学院大が昨今、メキメキと力をつけている。2013年からチームを指揮する東和樹監督(鹿児島商工高[現樟南高]から福岡大でプレー。福岡大大学院を経て、福岡大コーチ、監督を歴任し、05年から西南学院大コーチ)の指導力が大きい。スポーツ推薦がなく、寮もなく、グラウンドも準硬式野球部と共用という制約のある環境でも「日本一誇れるチーム」をテーマに、学生主体で、工夫した地道な取り組みを展開。15年春に1960年秋以来、109季ぶりのリーグ優勝を遂げると、18年秋にも7季ぶり6度目の頂点に立った。

 18年秋シーズンの戦いを、スタンドから見届けたのが、当時高校3年生で22年の主将を務める小中健蔵であった。

「西福戦(対福岡大)におけるベンチ、スタンドの一体感に心が躍りました。学生が自主的に動く姿が見受けられ『ここでプレーしたい!』と強く思いました」

 九産大九州高では1年秋から三塁手のレギュラー。2年夏は福岡大会5回戦で甲子園に出場する東筑高に0対1で惜敗し、3年夏は南福岡大会決勝で沖学園高に0対1で涙をのんだ。高校同期の右腕・村上幸人は福岡大のエースとして活躍し、九州六大学リーグのライバル同士である。

 成績が優秀だった小中は学校評定4.9により、指定校推薦で西南学院大への扉が開かれた。1年秋のリーグ戦デビューは、北九州市立大1回戦。代打での初スイングがサヨナラタイムリー(二塁打)となり、翌2回戦からレギュラーに定着する思い出深いゲームとなった。コロナ禍による2年春のリーグ戦中止を経て、2年秋には打率.455、4本塁打、11打点で最優秀選手賞、本塁打王、ベストナインと飛躍のシーズンを過ごした。

 12月上旬に開催予定だった侍ジャパン大学代表候補合宿(愛媛・松山)に招集されたが・・・

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