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高野颯太(三刀屋高・外野手)異次元の飛距離を生む「山陰の浅野翔吾」「自分が打てば甲子園に近づくし、スカウトの方にもアピールしたい」

 

右打席からの長打力は超高校級だ。元甲子園球児の父から英才教育を受け、中国地区を代表するスラッガーに成長。今夏の一発勝負にすべてをかけている。
取材・文=井上幸太

島根県立の三刀屋[みとや]高は、1978年夏の甲子園に出場。初戦[2回戦]で旭川竜谷高に2対10で敗退した。今夏は45年ぶり2回目の島根代表を狙う[写真=井上幸太]


 島根県の東部に位置する雲南市三刀屋町。この土地の高台に位置する三刀屋高グラウンドは、日が暮れると周辺が見渡せなくなるほど真っ暗になる。山々に囲まれる自然あふれる土地ゆえに、である。2年前から山間のグラウンドに何本もの放物線が描かれている。雄大な軌跡をたどると、あるスラッガーに行きつく。高野颯太。高校通算27本塁打をマークし、中国地区屈指と目される右の強打者だ。

 昨秋の島根大会準優勝で、出場を勝ち取った中国大会の初戦(対宇部鴻城高)では、一番・中堅で初回に左翼席に先頭打者本塁打をたたき込んだ。試合には敗れたものの、4打数3安打、三塁打が出ればサイクル安打の打棒を披露。長打力と176センチ、90キロのがっしりとした体格から「山陰の浅野翔吾(巨人)」の愛称が定着した。ストップウォッチ計測よりも正確なタイムを計れる「光電管計測」で、50メートルを6秒3で駆けるなど俊足の持ち主。4月初旬に開催されたU-18日本代表候補合宿にも招集され・・・

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