週刊ベースボールONLINE

ドラフト逸材クローズアップ

石上泰輝(東洋大・内野手)ベンチに欠かせない仕事人「監督の意に沿う、ベンチが思い描く野球をやりたい」

 

東洋大は今春、駒大との一部二部入れ替え戦で連勝し、2021年春以来の一部昇格。今秋の亜大との開幕カードでは連勝した。不動の二番・遊撃手。攻守のキーマンが「昇格即一部優勝」へと導く。
取材・文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎

2023年のチームスローガンは「一戦必勝」「執念」。東洋大の副将としてチームをけん引する


 今夏の甲子園で慶応高(神奈川)が107年ぶり2度目の全国制覇。慶大を通じてモットーである「エンジョイ・ベースボール」が開花した。レベルを上げるため、自らで考え、行動し、成果を得ることで、初めて楽しむことができる。指導者からの指示を待って動くよりも責任があるため、想像以上の苦労が伴うのだ。

 東洋大の不動の二番・遊撃手の石上泰輝が好む、漢字一文字は「楽」である。

「守備においてはムダな動きを排除して、最も楽な形でアウトにしたい。誤解していただきたくないのは『楽をする』ということではありません。捕球から送球まで、スムーズな流れを目指しています。練習においては必死に取り組んで準備した分、試合では楽しんでいきたいです」

 双方に共通しているのは、最高峰の技術を極める姿勢。一流アスリートの達成感とは、真剣勝負を楽しむこと。石上も目標のプロ入りのため、努力を惜しまない。

 徳島県鳴門市出身。鳴門第一中では3年夏、主将・二塁手で全国中学校軟式野球大会に出場した。地元の鳴門高は2013年から、石上が中学3年生だった16年まで5年連続甲子園出場。「鳴門高を倒して甲子園へ行く」と、声がかかった県下屈指の伝統校・徳島商高に進学した。

 1年夏からベンチ入りしたものの、三番・二塁のレギュラーは2年秋と、定位置奪取は高い壁だった。この時点では「野球は高校まで」と、卒業後は就職する意向を示していた。同秋に県大会準優勝で四国大会に出場し、英明高(香川)との1回戦では6打数4安打1打点と躍動し、初戦突破(6対4)に貢献した。1対2で敗退した高知商高との準々決勝でも1安打。大舞台で結果を残せたことで「関東の大学でプレーしたい」と、意欲が芽生えた。3年春からは内野の要・遊撃手を任された。同夏は県大会準決勝でライバル・鳴門高に3対4で敗退。甲子園の土を踏むことはできなかったが・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

逸材発掘!ドラフト候補リサーチ

逸材発掘!ドラフト候補リサーチ

プロを目指す逸材を発掘し、その横顔とプレースタイルを紹介する読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング