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キャプテンに就任してからの2年間、チームは優勝を逃した。自身の成績も打率が3割を切るなど物足りない。栗山巧はこんなもんじゃない。2002年にプロ入りしてから今年で13年目。30歳となり、再び輝きを放とうと背番号1は高い目標を据えて、栄光をつかむべく新たなシーズンに向けてスタートを切った。

取材・文=小林光男 写真=大泉謙也

達成感の一方で抱いていた危機感

 栗山巧は危機感を抱いていた。昨年、西武は結果的にシーズン最終盤で怒涛の8連勝をマーク。最終戦ではロッテを破って2位でフィニッシュし、ファンも大盛り上がりとなった。

 クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでロッテに敗れて日本シリーズ進出は叶わなかったが、チームのスローガンでもあった『骨太』な戦いぶりに、渡辺久信前監督 (現西武SD)も「選手たちはぶっとくなった」と称賛。栗山自身も「若手の中に闘争心も浸透してきたし、最後の一体感はすごく良かった」とある種の満足感を抱いてはいたが、その半面、違和感も覚えたことも確かだった。

 達成感の充満─。2004年にパ・リーグで導入されたポストシーズン。07年からはセ・リーグも同システムを取り入れ、クライマックスシリーズと名称が統一されたが、これによりリーグ優勝を逃しても3位までに滑り込めば日本シリーズに出場できるチャンスを得られることになった。以前の頂点に立たなければ2位も3位も一緒、という厳しい世界から一変。シーズン終盤には激しいAクラス争いが繰り広げられることになった。

 08年に渡辺前監督の下、リーグ優勝を果たして以降、昨年まで西武は4位、2位、3位、2位、2位。79年に西武球団が発足してから最長となる5年間、優勝から遠ざかっているが4度、CS出場を成し遂げている。しかし、そこに落とし穴があると栗山は考えていた。

「2位や3位になればすごく盛り上がってしまうところが、危険やな、と。それで満足してしまう選手がいてもおかしくないですから。気が付いていないけれど、僕もそのうちの一人かもしれません。そういった意味でも今年は必ず優勝しないといけないんです・・・

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