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【首脳陣に聞く】西武・平石洋介(ヘッドコーチ)「一つひとつの準備を積み重ねて、優勝へ前向きに戦っていく」

 

今年から新たに松井稼頭央監督が就任した西武で、ヘッドコーチとして同監督を支えるのが平石洋介だ。PL学園高出身で松井監督の後輩。気心が知れた新指揮官を“漢”にするためにチームに一体感をもたらし、4年ぶりのV奪回へと引き上げていく。
取材・構成=小林光男 写真=菅原淳

今年からヘッドコーチとなり、手腕を発揮していく


プロのウオーミングアップ


 6年間続いた辻発彦政権から今季は松井稼頭央監督が就任したライオンズ。辻監督の下では2018、19年と連覇を果たしたが以降は3位、6位、3位に終わった。V戦士もFAやポスティングでチームを去る中、若い選手の台頭がかなわなければ浮上はない。過渡期にあるチームで、松井監督の“参謀役”を担うのが、平石洋介ヘッドコーチだ。松井監督を胴上げするために、あらゆる面で力を尽くしていく。

 表現がいいか分かりませんが、ヘッドコーチは監督の“片腕”“片足”であり、“左脳”“右脳”であるべきでしょう。要は監督の一部にならないといけないわけです。監督の考えをしっかりと理解することが大前提で、それをコーチ陣や選手に浸透させる。さらに、シーズンが進んでいけばいろいろな問題が起こりますが、それをもらさずに吸い上げてチームが円滑に前へ進むようにする。僕は試合の采配以外で監督の手を煩わせたくない思いが強い。だから、そういった点はしっかりと対応していくつもりです。

 昨年、打撃コーチとして西武に入団し、シーズン後に松井稼頭央ヘッドコーチが監督に昇格。同時に僕がヘッドコーチに配置転換となりましたが、松井監督からは「今までどおり遠慮せずにやってほしい」と言われました。僕もそのつもりです。松井監督に進言すべきことも出てくるでしょう。チームが優勝するためには耳の痛いことを言うこともあるかもしれません。

 松井監督とは、まず選手にしっかりとした“準備”を求めることで意見が一致しました。例えば僕は他球団からライオンズを見ていて、昨年からチーム内に入りましたが、お世辞にも意識の高いウオーミングアップをやっているとは言えませんでした。球場に来るまでの体の確認もそうですが、グラウンドに来てもタラタラと動くのではなく、100%で動ける準備をしっかりとやらないといけません。秋の段階からプロとしてのウオーミングアップを選手に求めましたね。ただ、それが特別なことをやっているように思われるうちはダメでしょう。当たり前にならないと。子どもたちがウオーミングアップを見ても、「ライオンズってやっぱりプロだな」と思われるようにならないといけません。

 チームスローガンは『走魂』となりましたが、走ることは野球の原点です。さらに勝負の世界で相手に向かっていく姿や最後まであきらめない気持ちもスローガンの意味には込められています。当然ですが・・・

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