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野球浪漫2020

ロッテ・唐川侑己 見つけた新境地 「毎日準備するのは、プロ野球でしかできないこと。だから楽しいんです」

 

“若きエース”と呼ばれた男は、今季31歳を迎えた。期待を寄せられる中で不安と戦い続け、時に自らを見失い、試行錯誤を繰り返した20代──。そして、新境地を切り開いた。救援という新たな働き場で輝きを放つ。
文=竹内元(共同通信社) 写真=井沢雄一郎、BBM


「このままではいけない」


 7月30日の楽天戦(ZOZOマリン)。3対4で迎えた7回表、ロッテの主催試合でアナウンスを務めて今年で30年目の谷保恵美さんが、伸びやかな声でコールする。

「マリーンズのピッチャー、唐川侑己。背番号19」

 待ちに待った今季初登板に、スタンドからひときわ大きな拍手が沸き起こる。新型コロナウイルスの影響での練習自粛が明けたところで右内転筋を痛め、7月17日に二軍で実戦復帰を果たした右腕が、本拠地のマウンドに帰ってきた。

「春先は先発の調整をしていたので中継ぎとして準備していたわけではないですが、今は1イニングを投げることの不安はありません」

 一死から三塁打を浴びたものの、昨季までチームメートだった同学年の鈴木大地のスクイズを巧みに外し、捕邪飛で併殺に仕留めた。その後は、7月9日に契約解除となったジャクソンの穴を埋め、7回・唐川、8回・ハーマン、9回・益田直也で勝利の方程式を形成。チームは8月を16勝8敗2分けと大きく勝ち越し。今季のチームの躍進を支える背番号19に対し、吉井理人投手コーチは「チームがのっぴきならない状況になっているので、手伝ってもらっている」と救世主的な働きに感謝する。

本拠地・ZOZOマリンではブルペンカーに乗ってマウンドへ。18年途中から救援に配置転換され、新たな働き場を得た


 140キロ台中盤のストレートに、球速差の小さいカットボール。そこに今季は新たな武器も手にした。「昨シーズン1年間、中継ぎとしてやってみて、・・・

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苦悩しながらもプロ野球選手としてファンの期待に応え、ひたむきにプレーする選手に焦点を当てた読み物。

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