二刀流に挑戦している日本ハムの大谷翔平だが、投手としては5月22日の楽天戦でやっと2勝目と出遅れている。入団2年目の14年に10本塁打を放って11勝したときには、1918年のべーブ・ルース(レッドソックス)以来の同一年に2ケタの本塁打と勝利数をマークして騒がれたが、その後は実現できないでいる。あらためて98年前のルースの偉大さを振り返りながら、大谷の可能性に迫ってみたい。(記録は5月24日に集計) 4年目を迎えた大谷の二刀流挑戦
プロ1年目は打率.238で3勝0敗だった大谷翔平は、2年目の2014年には11勝4敗で防御率2.61のリーグ3位と大きく飛躍し、打っても10ホーマーで打率.274だ。規定打席には遠く届かなかったが、代打としても13打数4安打で打率.308と打撃専門のバッターたちに劣らない成績を残していた。
そして、3年目の15年は投手として15勝5敗で最多勝であり、勝率は.750、防御率でも2.24と主なタイトルを独占した。ところが、打っては109打数22安打で打率.202と大きく後退。代打としては23打数7安打の.304で2ホーマーと気を吐いたが、打者としては物足りない成績に終わった。
さて、今季は投げては2勝4敗で防御率は3.02と精彩を欠くが、打っては73打数25安打で打率.342と打席数さえ足りれば、首位打者にもなりかねない好成績を残している。5月24日現在でパの首位打者は楽天の
岡島豪郎で.340だが、大谷はすでに本塁打も8本打っている。
登録上は投手の大谷はDH制のパ・リーグでは投げる日はスタメンには入らない。交流戦でも14年以降はセ・リーグ主催の試合でもDH制を採用しているので打席に立たない試合も多くなった。結局、最近の大谷は野手として出場しているときか、代打に指名されたときしか打席には入らない。それでも、これだけのハイアベレージと本塁打数を残しているところに非凡な才能を感じさせる。
現在8ホーマー以上の打者は両リーグに8人ずついるが、1ホーマー当たりの打数が10未満は9.1打数の大谷ひとりだけである。両リーグ最多の16本を打っている
メヒア(
西武)も1本当たり11.3打数であり、セ・リーグでも
エルドレッド(
広島)の11.7打数で1本が、最高の本塁打率。15本でエルドレッドより1本多い
山田哲人(
ヤクルト)も11.8打数で1本。大谷は両リーグを通じての第1位である。(A表参照)
大谷は5月4日から22日にかけて5試合連続の本塁打を打った。しかし、その間に日本ハムは15試合を消化している・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン