監督就任の打診を受け、深く考えないようにした
キャンプがスタートした。沖縄から、宮崎から生き生きとした話題が飛び込んでくる。オレも近々、沖縄に飛ぶ。選手たちの生の動きを見るのが楽しみで仕方ない。
さて今週号だが、タイガースのことではなく「新監督」について記してみようと思う。今年、プロ野球では5人の新監督が誕生した。1年に5人が代わるというのは珍しい。その意味では、実に新鮮なシーズンになると感じるが、就任した新監督はそれぞれ期待と不安、それが入り混じったキャンプを過ごしていると思う。
オレが監督になったのは2004年シーズンからだった。03年、
星野仙一監督の下、
阪神はリーグ優勝を果たした。実はその9月くらいだったか、内々で来季は監督を頼む……と球団から伝えられていたのだ。星野さんがこのシーズン限りで勇退することを決め、球団と話はついていたとのことだった。だから気持ちの準備はできていたし、自分なりのビジョンを描いていた。
ただリーグ優勝した直後に監督になる……というのは当然、重圧になった。自分が監督になって優勝チームを低迷させてはならない。そういうプレッシャーだが、オレはあえて深く考えないように努めた。というのも、それを意識し過ぎると、どうしても「守り」に入ってしまう恐れがあったからだ。自分の色を鮮明にするとか、それほど大層なものではないが、守りに入れば、どうしても冒険できないし、大胆な改革ができなくなる。だからオレは03年のリーグ優勝を白紙に戻し、リセットしてチーム作りを考えた。
順位を無視するわけではない。もちろん、やるからには優勝を目指すのだが、その一方で・・・
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