育成1年目にして支配下登録を勝ち取った強打の捕手だ。高校、社会人、独立リーグを経て入団した苦労人。その目には他選手にも勝るギラギラした光が宿っていた。多くの刺激を受けた1年目を糧に、駆け上がる準備を整えつつある。
取材・構成=武石来人　写真=菅原淳、BBM、YDB


　パンチ力ある打撃と強肩で登録期限ぎりぎりに支配下登録された。少しでも自分の糧にしようとする姿勢は、ほかの若手と比べても傑出している。本拠地で感じた“責務”を胸に、前へ前へと突き進む。

──まずは、支配下登録おめでとうございます。

上甲　ありがとうございます。

──決まった際の率直な気持ちを聞かせてください。

上甲　素直にうれしかったですね。ただここからが本当のスタートだと感じていたので、より頑張っていくしかないと強く思いました。

──キャンプイン前に「キャンプ中に支配下登録されて、最終的には一軍で活躍を」と明確に目標を話していたことが印象に残っています。

上甲　キャンプインから積極的にアピールしないといけないなと思っていましたから。ただ、オープン戦でも一軍に帯同してチャンスをもらっている中で、結果を出せなかったことは自分の弱さだと感じる部分です。もし結果を出していれば、早い時期の支配下登録もあったかもしれませんし……。

──三浦大輔監督からは、「支配下ということは一軍に上がれるチャンスがある」とコメントがありました。

上甲　今シーズン中にチャレンジできる。そういう意味でも支配下登録は大きかったなと思いますね。

──オープン戦では一軍に合流し、本拠地・横浜スタジアムでの試合も経験していました。

上甲　とても刺激になりました。とにかくたくさんのお客さんが入っていて、「ここが目指すべき場所だ」と・・・