2月1日からスタートしたプロ野球の春季キャンプも気が付けばもう折り返し地点。これからいよいよ実戦が入ってきて、ポジション争いも本格化するんでしょうね。

　キャンプの注目といえば移籍選手、新外国人、ドライチルーキーを欠かすことはできません。特に今年は佐々木朗希(ロッテ)と奥川恭伸(ヤクルト)の黄金ルーキーの動向はやっぱり気になっちゃいます。

　一軍キャンプ帯同となった佐々木朗については順調そのものという感じですね。5割の力でキャッチボールをしただけで彼のボールを受けたブルペン捕手からは「ミサイルみたいだった」という言葉が出たといういうから、やっぱり本当に“怪物”なんだなとワクワクしてしまいます。

　一方、右ヒジ炎症の影響で二軍キャンプでリハビリ調整をしてきた奥川も第3クールからは遠投も解禁され、順調に回復しているようでひと安心ですね。とはいえ、厳しいプロ野球の世界、過去の歴史を見ても1年目から活躍できる高卒ルーキーはそうはいません。それでも、やっぱり期待してしまうのがプロ野球ファンの性(笑)。佐々木朗と奥川の2人が一軍のマウンドで活躍する姿を早く見てみたいなと思っています。

　さて、僕も毎日、テレビや新聞などの報道で各球団のキャンプの様子を細かくチェックして楽しんでいますが、報道で知ることができるのはほんのひと握りの情報。キャンプを楽しむなら絶対に現地に行くことがおすすめです。

　僕も仕事で何度もキャンプ地を訪れていますが、一番好きなのは全体練習が終わった後の個人練習の時間です。今シーズンはどんなことを課題にしているのかを垣間見ることができたり、あるいは選手同士の意外な交流が見られたりもするんです。

　昨年は3つのキャンプ地を訪れたのですが、一番印象的だったのは巨人のキャンプで意外なコンビが話していた打撃論。誰かというと……当時移籍1年目の丸佳浩、移籍組の先輩である中島宏之。バッティングのタイプも違えば、そもそも左打者と右打者なのに「ああでもない、こうでもない」と熱い打撃論を交わしていたんです。そうかと思うとお互い「こう？」「こんな感じ？」と実際にバットを振ってみせたり。まったくタイプの違う2人が話しているというのも面白かったですし、第一線で活躍しているベテランでさえもこうやって常に新しいものを吸収していこうと努力を積み重ねているんだなあ……と、しみじみ思いながら2人のやりとりを見守っていました。

　もし、キャンプ地を訪れる機会があればぜひ個人練習を見てみてください。知らなかった選手なんかもいて「へぇ、こんなすごいスイングするバッターがいるんだ」とか新発見がたくさんあるのと、自分だけの原石を見つけるのも楽しいですしね。

　最後になりましたが“ノムさん”こと、野村克也さんが2月11日にお亡くなりになられました。突然の訃報で僕自身も大変驚きました。もうノムさんの解説が聞けないんだなと思うと本当に寂しいです。心よりご冥福をお祈り申し上げます。