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【週ベ60周年記念企画37】『特集 “三原騒動”の3日間』【1958年12月24日号】

 

2018年に創刊60周年を迎える『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3400号を超えている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

本文巻頭は『品川社長“引退”の真相〜報われなかった71歳の情熱』


表紙は西鉄・三原脩監督


 今回は『1958年12月24日号』。創刊第37号で定価30円。中カラー見開きは『巨人の四天王』と題し、広岡達朗長嶋茂雄藤田元司藤尾茂の背広姿。おそらく前回紹介した正力松太郎邸での映画「巨人軍物語」撮影の合間だろう。

 巻頭グラビアはオフネタ。長嶋の1日消防署長だ。制服姿もなかなか凛々しい。

 本文巻頭は『品川社長“引退”の真相〜報われなかった71歳の情熱』。水原円裕監督との確執と歯に衣着せぬ言動で、しばしば話題となった巨人・品川主計社長である。かねてから次期監督にと推してきた千葉茂二軍監督が近鉄監督に就任したことで、野球への情熱が薄れたのでは、という論調だったが、「正力─川上」派に「品川─千葉」派が敗れ、ともに去ったように見えなくもない。

 表紙にもなっていた西鉄・三原脩監督の記事がそれに続く。

『三原騒動の三日間〜優勝監督はなぜごねたか』だ。巨人相手に奇跡の日本一を果たしたばかりの名将が、大洋監督に就任する寸前までいったという内容だ。

 11月29日に報知新聞が「三原監督辞任を決意 大洋新監督へ」といきなりスクープ。大騒ぎとなった。当初はとぼけていた三原監督だが周囲が騒がしくなり、30日になって会見。健康上の理由、自分の仕事は三連覇で終わった、などと理由を語り、西鉄退団の意思は認めたが、大洋監督就任はデマと語った。結局、翌12月1日、球団との話し合いの後、翻意し残留を発表している。

 実際には球団フロントとの確執が原因だった。不振のどん底にあった7月、親会社の社長が「こんな陣容で勝てなければ監督の全責任だ。この際休ませては」と言ったことが三原の耳に届き、ぶち切れたという。それ以前から誘いがあった大洋と水面下で条件を詰め、発表目前で新聞報道が出てファンや関係者が騒ぎ立て、結果的には撤回せざるを得なかったようだ。

 情報をもらした人物については諸説あったが、後年の「週べ」の記事で大洋にいた青田昇が「ワシがやった」と明かしている。自分が三原構想から外れ、自由契約となったことに腹を立ててだった。

 11月30日にはついにミスタータイガース、藤村富美男が引退。会見で藤村に背番号10が永久欠番となることも発表された。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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