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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画51】『12球団実力検討号』【1959年4月1日号】

 

2018年に創刊60周年を迎える『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3400号を超えている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

対談『ライオンズへの挑戦状』


表紙は西鉄・稲尾和久


 今回は『1959年4月1日号』。創刊51号で定価30円だ。センターカラーは『巨人打線の新時代』の見出しで長嶋茂雄王貞治ら巨人打線の面々。巻頭グラビア、センターグラビアがオープン戦、後ろグラビアが王ら新人選手たちの紹介だ。投手か野手かが話題となっていた王は、「投手は無理」の首脳陣の判断からライトとしてオープン戦に出場中だった。

 新人といえば『12球団週間報告』の東映にすごい話があった。主役はもちろん、張本勲である。大洋とのオープン戦で、相手のエース・秋山登が外角にシュートを投げると、大きな声で、「なんだ、へなちょこシュートを投げやがって。インコースで勝負してみろ!」。

 これにはマウンドの秋山だけでなく、捕手も審判もびっくり。挑発に応じたわけでもあるまいが、その後インコースに投げた秋山から張本は見事ライト前。

「相手投手をけなすのも自分の好きなコースに投げさせるためですよ。秋山さんだってカッとなっていい球を投げてくれました」

 なんとも末恐ろしい新人だ。

 対談は『ライオンズへの挑戦状』のタイトルで南海・鶴岡一人監督と、南海ファンの小説家・藤沢恒夫が登場。捕手で四番の野村克也がいまなお悪口を言う「恩師」だが、この中でも野村への言葉は手厳しい。オープン戦で不振に陥り、弱音を吐いた後らしい。
 
「きょうのゲームで野村が自信がないということを蔭山(和夫コーチ)に言うんだな。代わりたいというから怒ったんだ。自信がないというようなことを四番が言ったらダメだ。そこを闘志で補うとか精神力で補うというようになってくれなければいかんと思うんですよ」

 阪神藤村富美男の引退式の収支も出ていた。紹介しよう。日曜日開催予定が雨で1日流れ、集客が心配されたが、3万の観衆が集まった。

 まず収入は、入場料は1人平均80円で240万円、これにテレビの放映料が70万円で310万円。支出が宣伝費20万円、諸経費46万円で66万円。差引244万円が藤村に贈られることになったらしい。阪神関係者は「日なら5万人は堅かった」と残念がっていた。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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