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プロ野球仰天伝説

【プロ野球仰天伝説26】王貞治は何度も一本足から二本足に戻そうとしていた

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

師匠・荒川コーチの考えは……


最終的には一本足打法で世界のホームラン王になった


 大器と期待されながら、入団当初は、ふつうの打ち方、いわゆる“二本足打法”で伸び悩んでいた巨人王貞治。1962年7月1日、応急処置として取り入れた“一本足打法”で、突然の打撃開眼。38本塁打を放って初のホームラン王に輝いた。そのまま公式戦では引退までこの打法を貫き、世界最多通算868号を積み重ねている。

 しかしながら師匠の打撃コーチ・荒川博、監督・川上哲治は当初、いずれは二本足に戻すことを考えていた。2人はともに一本足打法は飛距離を伸ばすことにはプラスだが、アベレージにはマイナスと考えていたからだ。そのため一本足2年目の63年もオープン戦では二本足をやらせた時期があるが、結果が出ず、すぐ戻している。

 64年も春季キャンプから荒川の指示で二本足へ完全に戻した。荒川は「一本足では一度タイミングが狂うとスランプが長くなる。三冠王を狙うには二本足に戻したほうがいい」と王を説得したという。

 しかし、オープン戦では大スランプ。迷いに迷い、荒川に許しを得て一本足に戻すと、そこから大爆発。当時シーズン日本記録の55本塁打を達成した。結果的には、悩みに悩んだ試行錯誤がプラスに働いたのかもしれない。

王貞治(おう・さだはる)
1940年5月20日生まれ。東京都出身。早稲田実から59年に巨人へ入団。62年、“一本足打法”で本塁打を連発し、初の本塁打王に。以降13年連続を含む15回の本塁打王に輝き、巨人V9の立役者となった。80年限りで現役引退、94年に野球殿堂入り。巨人、ダイエー・ソフトバンクで監督を歴任し、リーグ優勝4回、日本一2回。主なタイトルはMVP9回、三冠王2回、首位打者5回、本塁打王15回、打点王13回。通算成績2831試合、2786安打、868本塁打、2170打点、84盗塁、打率.301。

写真=BBM

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