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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画109】『特集 パ・リーグ三強、後楽園の激闘』【1960年5月11日号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

『今週の話題』は「よみがえったエース」秋山登


表紙は西鉄・豊田泰光


 今回は『1960年5月11日号』。定価は30円だ。本文巻頭の『今週の話題』は、「よみがえったエース」、4月2日の開幕戦でノックバットを頭部に受け離脱していた秋山登だ。9日に退院して、13日から練習再開。19日の国鉄戦ではいきなり完投勝利というからすごい。大洋・三原脩監督は「アキが戻った。これからの大洋を見てくれ」と胸を張った。

 本文巻頭は『パ・リーグ三強、後楽園の激闘』だ。4月16日から21日にかけ、パの三強、南海、大毎、西鉄の3チームが後楽園で繰り広げた死闘の舞台裏を特集している。まずは大毎が前年の覇者南海に2勝1敗と勝ち越し。それでも試合後の西本幸雄監督は「残念だ。三連勝できるはずだったのに」と渋い表情を見せた。大毎はこの後、19、21日には西鉄を撃破(20日は雨中止)。一気に上昇気流に乗った。

 連載『トップスター登場』では東映の2年目、張本勲が登場。さすが威勢がいい。「ケンカの思い出は」と聞かれ「たくさんありすぎて」と答えたかと思うと、

「夜道で強盗に襲われたらどうしますか」の質問には、

「逆にはりたおしちゃいます。ピストルなど持っていても決して負けません」

 強気だ。

 後ろグラビアでは米軍の軍人ながら阪神にテスト入団したマイク・ソロムコがたっぷり。なかなかの二枚目で人気も出そうだ。

 連載小説『黒眼鏡の打者』は、ついに最終回。いつか読もうと思っている人はネタバレになるので以下は読まないように。

 交通事故で視力が落ちた左打ちの天才打者・江川隆志(巨人)に「ケガが分からぬよう黒眼鏡をかけろ」と指示した川上哲治ヘッドコーチ。ベンチにいるだけでも相手が意識するから、というのは本当の理由ではなかった……。

 南海との日本シリーズ、巨人は3勝3敗で第7戦を迎えた。リードされて迎えた9回裏だった。二死満塁から代打で出たのが、黒眼鏡の江川。しかし、実はそれが川上の変装だったのだ……。体型が自分と似ていた江川のケガに川上が思いついた謀略。話は、川上の一打が右前に飛んだところで終わる。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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