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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

「キーマン」と呼ばれ続ける男

 

宜野湾キャンプでは精力的にバットを振っている


 20年ぶりのリーグ優勝を狙うDeNA。頂点に登りつめるためには、主砲・筒香嘉智の爆発は条件の一つだ。期待の新人左腕・東克樹の先発ローテ入りも必要となるだろう。しかし、何よりも打線をけん引する「一番・中堅」の桑原将志がシーズンを通して躍動しなければ、優勝は近づいてこない。

 宜野湾の春季キャンプで汗を流す桑原も「一番を打つ僕が機能すれば、優勝は可能だと思います」と自分が果たすべき役割を把握している。

 2012年にドラフト4位でDeNAに入団。パンチ力のある打撃、50m5秒8の俊足を生かしたスピード感あふれるプレーで将来のレギュラー候補と言われながら、プロ入り4年目まではなかなか一軍に定着できないでいた。

 活路が開けたのが16年だった。新たに就任したラミレス監督に才能を見出され、「一番・中堅」のレギュラーに抜てきされると、この年初めて規定打席をクリアし、球団初のCS進出に大いに貢献した。

 2年連続でAクラス入りした昨季は、CSを勝ち抜き、日本シリーズを戦う過程、ラミレス監督は呪文のように「キーマンはクワハラ」と言い続けた。うしろにはロペス、筒香、宮崎敏郎の重量級クリーンアップが控えており、前を打つ桑原のチャンスメークが得点力に直結するからだ。

 2018年、指揮官はあいかわらずキーマンに桑原の名前を挙げ続ける。ここ2年で出場試合数は15年60試合→16年133試合→17年143試合と飛躍的に伸びた。と同時に、年俸もうなぎのぼりだ(16年=1300万円、17年=4000万円、18年=8500万円)。

 しかしながら、本人は地に足を着け、濃密なキャンプを過ごしている。「こうやって注目してもらえるのも、(調子のいい)今だけだと思ってやっています。常にレベルアップしていかないと……」。レギュラー3年目となり責任感も増した。横浜ファンの期待を背負い、今季もハマのリードオフマンはフィールドを駆けめぐる。

文=滝川和臣 写真=上野弘明
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