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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画127】『特集 大洋婦人部隊の戦略会議 堀本の決め球“ド根性”』【1960年9月14日増大号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

大毎・永田雅一オーナ『吹け! 優勝のラッパを…』


表紙は大洋・秋山登


 今回は『1960年9月14日増大号』。定価は10円上がって40円だ。センターカラ―の巻頭に巨人国松彰におんぶされる水原茂監督の写真が入り『国松の代打満塁ホーマー〜ダッコちゃんの水原監督』とある。8月21日、国鉄戦10回表、国松が代打満塁弾を放った際の1枚。いまならNGだが、三塁を回ったときに三塁コーチをしていた水原茂監督が飛び乗ったのだ。なお、ご丁寧に国松とダッコちゃんの2ショットもあった。ちなみにダッコちゃんとは、この年大ブームとなったビニール製の人形である。

 本文巻頭特集は『大洋婦人部隊の戦略会議〜23日の三原邸で何が語られたか』。首位を走る大洋。三原脩監督夫人、妙子さん、桑田武ご母堂ともさんほか、選手の夫人たちの座談会だ。

桑田母 もうここまで来ましたら、ぜひ私たちも優勝していただきたいと思ってますよ、奥さん。

三原夫人 もちろん私もよ。右にならえよ(笑)。

 で始まり、話しが弾むが、戦略会議というより、井戸端会議か。

『堀本の決め球“ど根性”』は、すでに24勝を挙げていた巨人の新人・堀本律雄の特集。捕手・森昌彦のリードに唯一首を振る男と言われていた。新人らしからぬエピソードとともに、あまりの酷使に「このままではつぶれるのでは」の意見も相変わらずあったようだ。ただ、堀本は言う。

「俺がよく、疲れたとか、これじゃ殺されるとかって言うのを、そのまま取って、あたかも俺が監督の使い方に不平があるような書き方をされる。それが一番イヤなんだ。人間だれだってときには愚痴もでるさ。だが、俺はいま毎日喜んでマウンドに立っているんだよ。実際、こんな面白い商売はないからな」

 何度も書くが、本当に新人なのか、この人は。

 パで優勝に突っ走る大毎・永田雅一オーナーの記事もあった。『吹け! 優勝のラッパを…』。ラッパは永田の異名でもある。

 冒頭で大毎好調の理由を聞かれ「それはやはりオーナーの熱烈な愛情があれだけの好成績を示しているわけだ。愛だよ、君」からは始まるトークは強烈だ。毎試合後、テレビ、ラジオの解説者の指摘を聞いて感じたことなどを西本幸雄監督に電話し、注意(?)していたらしい。来るべき「バカ野郎事件」のプロローグは、シーズン中にあったようだ。

 以下は宣伝です。しばらく、まったく同じ文を掲載します。

 現在、週刊ベースボール60周年企画として「週べでつづる12球団史」を制作中。第1弾は3月14日発売予定の巨人編です。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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