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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画129】『特集 巨人再建の秘密会議』【1960年9月28日号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

「いまの巨人は阿波踊り」


表表紙は左から大洋・三原監督、巨人・水原監督


 今回は『1960年9月28日号』。定価は30円だ。9月に入りセは大洋と巨人の優勝争いとなっていたが、カギを握るのは、両チームに7試合ずつを残す広島と言われていた。広島ナインとしては、警戒は大洋より巨人。『ペナントの鍵を握る広島』という記事で、長谷川良平が語る理由は、

「野球は映画と違うよ。監督が変わったからと言って、映画のようにいい作品が簡単にできるもんかい。いままでの大洋は先取点を取って逃げ込んでいたけど、こういう勝ち方は、そう長く続くもんじゃないさ」

 1点差、それも1−0の勝利が多いのが、この年の大洋の特徴でもあった。

 巻頭特集は『巨人優勝への秘密会議』。巨人初代総監督・市岡忠男、セ会長・鈴木龍二、巨人初代監督・三宅大輔、NHKアナウンサー、志村正順出席の座談会をもとに構成したものだ。

 重鎮だけあって、それぞれ好き勝手に話している。一部を抜粋しよう。

志村 私はね、過去の輝ける巨人は川上(哲治)の引退によって終わりを告げたと思うのですよ。それから新しい巨人が長嶋(茂雄)の入団によって生まれてきたような気がする。昔の巨人は石にかじりついても負けられないという、執念のようなものがあったと思うのです。ところが長嶋の場合は、うわっという人気で押してきて、ほかの選手もそのハイライトの上に乗っちゃって、エラーしても三振しても大喝采という雰囲気の上に、ふわっと乗ってる。それがいまの巨人。

三宅 だいたい川上、千葉(茂)などは巨人が育てた選手でしょ。長嶋はほかで育ったものがぱっとやってきたところに違いがあります。

鈴木 川上の引退が早すぎたという気がするんだけどね。五番でも打っていれば、長嶋も敬遠されないで、もう少し得点も増えるような気がするしね。過渡的な状態というべきかな。

市岡 確かに、あの人気に乗っているからいかんな。いまの巨人はどうも阿波踊りで(笑)。しかもアワ踊りのアワはあぶくのアワ、泡沫のアワですよ。

佐々木信也連載対談』は南海の野村克也が登場。野村は左指親指の第一関節あたりの骨にヒビが入っていたらしい。それでもギプスをつけて固定しながら試合に出続け「やりながら治さんとしょうがいない」とも。昔の人はタフだ。

 以下は宣伝です。しばらく、まったく同じ文を掲載します。

 現在、週刊ベースボール60周年企画として「週べでつづる12球団史」を制作中。第1弾は3月14日発売予定の巨人編です。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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