長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。 カッとなって新聞社に……
1958年、奇跡の大逆転優勝、日本一を飾った西鉄(日本シリーズだけでなく、ペナントレースもそうだった)。しかし、シーズン途中、優勝が絶望視されたときに、フロントから自分をないがしろにするような言葉を浴びせられ、腹を立てていた
三原脩監督はシーズンが終わると同時に、大洋の監督になることをひそかに決めていた。
喜んだのが、
巨人時代に一緒だった青田昇だ。三原から「一緒に頑張ろう」と言われ、その気になっていた。だが、その後、球団の信頼できる人物から「三原さんはお前たちベテランを切り、若手に切り替えようとしている」と聞いた。
カッとなった青田は三原の大洋入りの話を新聞社にリーク。大々的に報じられ、「日本一監督を退任させるのか」と球団に批判の電話がバンバン入り、話は1年先送りになった。
返り血とでもいうのか、青田はこの後すぐ、阪急に移籍となっている。
写真=BBM