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センバツ名勝負伝説

【センバツ名勝負伝説09】木内マジックで常総学院が初優勝

 

いよいよ始まった「第90回記念選抜高校野球大会」。週べONLINEでは歴代の名勝負をピックアップし、1日1試合ずつ紹介していく。

破れかぶれの投手起用


1対1で迎えた3回表、常総学院の横川が低めの難しい球をスクイズ。ボールが高く弾み内野安打に


2001年4月4日決勝
常総学院(茨城)7−6仙台育英(宮城)

「ありがとうございました。見ている方は面白かったと思いますが、こちらは生きている心地がしなかったです」

 優勝インタビュー。7月で古希を迎える常総学院・木内幸雄監督の声は興奮からか、いつもよりワンオクターブ高くなっていた。

 2001年、21世紀最初のセンバツは「木内マジック」で勝ち進んだ常総学院と「大旗の白川越え」をかけた仙台育英の決勝となった。

 初回、常総学院がスクイズを仕掛けると、4連投のエース・芳賀崇のホームへの返球が大きくそれ、先制点を奪う。その裏、すぐ仙台育英が追いつくが、芳賀は3回無死から連打を浴び、またもスクイズ、さらにタイムリーも許し、3失点。4回には初回にタイムリーを放った五番・菊池俊夫がソロ本塁打で追いすがるが、5回にはタイムリー、そしてまたもスクイズで、常総学院が6対2とした。

 万事休すと思われた仙台育英だが、ここから意地を見せる。6回に3連続長短打で1点。木内監督は右ヒザを痛めていた先発の村上尚史をあきらめ、センターの村田哲也をマウンドに送り、追加点を許さなかった。

 しかし、続く7回、常総学院は、またも一死満塁のピンチとなり、今度は村田をセンターに戻し、平沢雅之をマウンドに送る。だが、死球で押し出し。再びマウンドに村田が呼び戻された。木内監督は「もう破れかぶれでした」と振り返る起用だったが、続く打者は強烈な三塁ライナー。三走が戻り切れず、併殺となる。

 9回には表に常総学院が1点、その裏、仙台育英も粘り、2点を取るも届かなかった。

 常総学院は初優勝。茨城勢のセンバツ優勝も初めてだった。

写真=BBM
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