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週刊ベースボール60周年記念企画

別所毅彦が水原監督にケンカを売る?/『週ベ60周年記念企画181』【1961年9月18日号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

『野球の神様 長嶋茂雄・稲尾和久』


表紙は巨人王貞治


 今回は『1961年9月18日号』。定価は30円だ。巻頭記事は『野球の神様 長嶋茂雄稲尾和久』。三冠王に向け驀進中の巨人・長嶋を東映・水原茂、40勝に近づく西鉄・稲尾を大洋・三原脩と、いずれも恩師が語る豪華企画だ。

 水原は長嶋1年目のキャンプでプロの洗礼とばかりノックを浴びせかけたときの話をしている。「まいった」と言わせたかったようだが、平気な様子で左右にボールを追い、逆に水原がへばってやめてしまったという。

 三原もまた、若き日の稲尾を思い出して語る。入団当初は、大物新人・畑隆幸の陰となり、まったく期待していなかった。それどころか「どうして稲尾をつれてきたか僕は知らない」とも言っている。その後も制球力の良さからバッティング投手としてオープン戦は一軍に帯同させ、大勝、大敗の試合の最後に投げさせるようになり、そこからチャンスをつかんだという。

 前号『別所コーチへの公開状』で、「僕が監督なら頼れる投手を必ず作って、それを軸にしていくよ」と、巨人・別所毅彦コーチの「ローテーション」批判を語っていた前巨人監督、現東映監督の水原に対し、怒り心頭となった別所が特別寄稿として『わがローテーションの真意』で反論している。

 これがすさまじい。かなり昔のことまで掘り返しながらの恨み節で、別所の怒りのすさまじさを感じさせる。中に気になる一文があった。

「昨年の巨人の投手起用というのは、水原さんのカンにのみ頼ったものではなかった。何でも大阪に住む人だとかいう女性の占い師が、毎日のように水原さんの手もとに投手起用の順序を予言した手紙を送ってくる。すると水原さんはその占いを信用して、前日に当時のコーチであった浜崎(真二)さんと立てた投手予定をガラリと変えてしまう」

 完全にケンカを売っている。いや、売られたケンカを買ったというべきなのか。

 以下、宣伝。

 週べ60年記念シリーズ『巨人編』『日本ハム編』が好評発売中。第3弾の『阪神編』も鋭意制作中です。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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