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プロ野球仰天伝説

タコ足と呼ばれた中河美芳のアクロバティックな一塁守備/プロ野球仰天伝説151

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

投手としても37年秋に13勝


イーグルス・中河美芳


 1937年秋、イーグルスに入団した中河美芳は“タコ足”、または“忍者”と呼ばれ、体がとにかく柔らかい一塁手だった。

 送球を受ける際、右足を前に出して股割りで捕球することもあった。どこかコミカルな動きで、どんな送球でも器用にキャッチするので、悪送球だと大歓声、逆に好送球が行くとため息がもれたという。

 捕手のバッキー・ハリスは一塁へのけん制が得意だったが、ファンが喜んだのが二塁側へのショートバウンドだ。中河は一塁ベースに左足をつけたまま、すくい取ると、水泳のバックストロークのような形で倒れ込みながらタッチした。

 投手としても37年秋には13勝をマークしているが、得意なのは左腕からの相手を小バカにするような超スローボール。巨人中島治康は「あの野郎の球は体を2回転させてから振らなきゃ当たらん」と言っていた。基本は普通の遅いストレートにスローボール、スローカーブで組み立てた。

写真=BBM
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