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週刊ベースボール60周年記念企画

不敵な新人・柴田勲/週ベ1962年4月9日号【210】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

オープン戦初登板前日も門限ギリギリ


表紙は左から東映・水原茂監督、巨人川上哲治監督


 今回は『1962年4月9日号』。定価は40円だ。『フラッシュ』で当時のテレビ放映事情があったので簡単に紹介しておこう。

 NTV(日本テレビ)が後楽園完全独占、TBSの川崎球場特約が基本線とある。当時の川崎は大洋(現DeNA)の本拠地だから、この組み合わせも随分長い。

 放送局別に見る(関東圏)。

 NTV。後楽園の巨人戦中心に毎週5回、年間150試合を中継。時間は20時から21時だったが、今年は最大21時45分とする予定。

 NHK。毎週水、土の2回で民放の20時からに対し19時半からスタートする。後楽園以外の巨人戦がメーンだが、神宮、東京スタジアムでの試合も中継。

 TBS。大洋戦が中心で、神宮、東京スタジアムにも進出予定。

 NET(現テレビ朝日)。兄弟筋(?)は東映らしく、火曜日と日曜の薄暮ゲームの二本立てで、東映中心にパの試合が多い。

 20時からスタートというと、昔なら7回くらいまで終わっていたようにも思うが、よかったのか。

『ルーキーは心臓で勝負する』では法政二高から巨人に入った柴田勲らが紹介されている。柴田は3月4日夜、翌日のデーゲームでオープン戦初登板が決まっているのに、門限ぎりぎりの22時半に「映画を見てきた」と帰ってきた。さらに居合わせた記者に「オープン戦初登板と言っても、高校時代の決勝戦と比べれば軽い気持ちです。要は打たれなきゃよいのでしょう」とふてぶてしい。

 20日の別所毅彦コーチの引退試合では、別所にあとに投げたのだが、このときの言葉もいい。

「客寄せのために僕を別所さんの救援に出すなんて失礼です。別所さんの引退試合なんだから勝つために僕を出すというなら話は分かるが」

 さらに、こうも言う。

「打たれるなんて思いながらプレートに立つバカはいないだろう。少なくとも僕はプロだってなんだって抑える自信がある」

 大洋の新外国人・マクマナス(登録名マック)の評判がいい。もっとも三原脩監督がテレビの取材で「彼が本来の力を発揮してくれたら打率3割5分、本塁打35本、打点100は絶対に保証します」と宣言し、あおったことからきているものでもある。巨人・長嶋茂雄の三冠王最大のライバルと呼ばれ、本人も「100打点と30本のホームランを目指したい。そうしたら打率は自然とついてくるでしょう」と淡々と語っていた。実際この年、長嶋の三冠王のライバルになる男が颯爽と現れた。ただ、マクマナスではない。

 名古屋市がロサンゼルス市と姉妹都市になったことで、中日がロスを本拠地とするドジャースと選手交流するプランが進んでいるという話があった。こちらの交流も長くなっていく。

 以下宣伝。

 週べ60年記念シリーズ『巨人編』『日本ハム編』『阪神編』が好評発売中、『ロッテ編』は28日発売予定です。

では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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