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2018甲子園

灼熱の甲子園、名物「かちわり」で熱中症対策

 

甲子園は初日から超満員


8月5日、夏の甲子園が開幕。記録的な猛暑で「熱中症対策」が話題となっている


 いよいよ夏の甲子園が開幕した。阪神電車で梅田を5時36分発の普通電車に乗車したが、すでに出発10分前には超満員である。

 甲子園駅の到着は5時59分のはずだったが、あまりの混雑のため、約4分遅れた。階段を下りるまで約5分を要し、ものすごい人ごみで、一気に汗が噴き出してきた。

 開会式まで3時間だが、球場周辺もヒートアップ。今夏から中央特別指定席(前・中央特別自由席)が導入。また、無料だった外野席は有料化された。当日券(一、三塁特別自由席、アルプス席)を求めて朝早くから、球場に足を運ぶ。1本でも早い電車に乗らないと、購入できない可能性もあるからだ。

「買えるかな……。最悪、外野かな……」

 甲子園到着前、車内ではそんな声も聞かれた。

 ようやくスタンドの座席を確保。当然ながら、夏の甲子園観戦は暑さと向き合わなければならない。今年は記録的猛暑。大会主催者はさまざまな熱中症対策を講じてきたが、最も効果的なのは夏の甲子園名物「かちわり」だ。

 簡単に言えば、ロックアイスの袋詰め。味付けがない「氷」だが、頭の上や首に置けば熱中症対策には最適だ。ストローが一緒についてくるので、氷水で乾いた喉を潤すこともできる。発祥は1957年の第39回大会であるから、すでに60年以上。2008年のリニューアル前までは高校野球開催期間限定で特設製氷所が設置。その場でハンマーでたたき割って、袋詰めしていたが、衛生上の問題もあり、現在は工場で製造(製氷期間は2日間)された製品を甲子園へ輸送している。

「かちわり、いかがですかあ〜?」

 売り子たちの声も例年以上の張りで、飛ぶように売れていた。販売の合間には売り子も、しっかりと水分補給。高校野球観戦には必携の、目玉商品。かちわりを見ると、また灼熱の夏が到来したと自然とモチベーションも上がってくる。

 7時40分には早くも「満員通知」が出た。球児の全力プレーはもちろん、スタンドの雰囲気が甲子園のドラマを生む。17日間(準々決勝翌日の休養日含む)、第100回記念大会は記憶に残る名勝負が繰り広げられそうだ。

文=岡本朋祐 写真=牛島寿人
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