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ドラフト会議物語

【ドラフト会議物語49】4年ぶりの一括開催は「田澤問題」で大揺れに【2008年】

 

今年は10月25日に行われるドラフト会議。毎年、金の卵たちが、どの球団へ進むか大きな注目を集める“一大イベント”で、さまざまなドラマも生まれる。今年で54年目を迎えるドラフト会議の歴史を週刊ベースボールONLINEでは振り返っていく。

大田はソフトバンクとの競合の末、巨人へ


相思相愛で巨人の1巡目指名を受けた大田


2007年10月30日
第44回ドラフト会議
(品川プリンスホテル新高輪)

[1巡目選手]
横浜     松本啓二朗(早大)  
ソフトバンク 巽真悟  (近大)
ヤクルト   赤川克紀 (宮崎商高)
楽天     藤原紘通 (NTT西日本)
広島     岩本貴裕 (亜大)
ロッテ    木村雄太 (東京ガス)  
中日     野本圭  (日本通運)
日本ハム   大野奨太 (東洋大)
阪神     蕭一傑  (奈良産大)
オリックス  甲斐拓哉 (東海大三高)
巨人     大田泰示 (東海大相模高)
西武     中崎雄太 (日南学園高)

 4年ぶりに高校生と大学生・社会人が一括開催となった。超目玉とされた社会人No.1右腕の田澤純一(新日本石油ENEOS)が9月上旬にメジャー挑戦を表明し、12球団に「指名お断り」を申し入れていた。結局、指名する球団は出現せず、ドラフト会議後に会見を開き、「ホッとしました」と笑顔を見せた。田澤はその後、レッドソックスと契約。翌09年からメジャーデビューを果たしている。

 この「田澤問題」を受け、ドラフト指名を拒否して海外の球団と契約した選手に関する議論が進み、海外の球団を退団した後も一定期間はNPB球団と契約できないという、いわゆる「田澤ルール」が設けられることになった。

 超目玉の田澤を失ったことで各球団の戦略がさまざまに分かれる。1巡目では横浜、阪神が早大のヒットメーカー・松本啓二朗で競合し、横浜へ。野本圭は楽天、中日の競合で中日が交渉権を得た。

 高校通算65本塁打の大砲、東海大相模高の大田泰示は、ソフトバンク、巨人の競合となり、巨人の原辰徳監督が当たりクジを引き当てた。大田は、広島の中学時代、原監督の野球教室に参加し、原監督がその才能にほれ込んだ男。そのまま原監督の母校である東海大相模高に進んだ。巨人では、あの松井秀喜が着けていた背番号55を与えられたが、結局、巨人では伸び悩み、移籍先の日本ハムで、ようやくその才能が開花した。

 また、ドラフト当日、東都ではリーグ戦が行われたが、亜大の岩本貴裕と東洋大の大野奨太は、対戦中に岩本が広島、大野が日本ハムの1位指名を受け、試合後に並んで会見という珍しいパターンとなっている。

 ロッテの1位、長身左腕の木村雄太は、06年の大学生・社会人ドラフト会議で横浜3巡目指名を拒否した選手だが、その後、西武からの栄養費を受け取ったとして謹慎処分を受けていた時期もある。

3位はなかなかの豊作


 ウエーバー順の2位では、木村と同じく拒否組の長野久義(Honda)を今度こそ巨人が指名できるかが注目されたが、その前にロッテが強行指名。長野は、またも拒否となっている。2位では、ほかに西武の野上亮磨(日産自動車)、広島・中田廉(広陵高)らの名前もある。

 3位は、なかなかの豊作でヤクルトの中村悠平(福井商高)、オリックス・西勇輝(菰野高)、西武・浅村栄斗(大阪桐蔭高)、阪神・上本博紀(早大)らがいる。

 さらにこの年は下位にも好選手が多く、5位でソフトバンクが12年の最多勝・攝津正(JR東日本東北)、日本ハムが中島卓也(福岡工高)。なお日本ハムは6位で杉谷拳士(帝京高)、7位でも谷元圭介(バイタルネット)を獲得した。楽天の6位にも左腕・辛島航(飯塚高)がいる。

 育成の成功はロッテだ。5位でフォークボールを武器に守護神となった西野勇士(新湊高)、6位で俊足堅守の外野手・岡田幸文(足利クラブ)を獲得している。

<次回に続く>

写真=BBM

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週刊ベースボール編集部

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