2018年のゴールデン・グラブ賞受賞選手たち
発売中の『ベースボールマガジン』2月号では、ゴールデン・グラブ賞について特集されている。
2018度の授賞式は昨年11月28日に行われた。そこで気づいたことがある。
栄えある18人の守備のスペシャリストがリーグごとに横一列に並んだときだ。パ・リーグが
西武・
秋山翔吾(184センチ)や
ソフトバンク・
柳田悠岐(188センチ)、
日本ハム・
中田翔(183センチ)をはじめとして180センチクラスがズラリとそろっていたのに対して、セ・リーグのほうは170センチ台が多かった。
両リーグの列に凸凹を作っていた選手が一人ずついた。パ・リーグが170センチのソフトバンク・
甲斐拓也。セ・リーグは、186センチの
菅野智之がほかのセ・リーグ受賞者に比べて頭一つ抜けていた。
パ受賞者で一番の低身長にもかかわらず、甲斐は存在感で引けを取らなかった。昨年は日本シリーズMVPにも輝き、ニコニコとまぶしい笑顔を振りまいていた。
ゴールデン・グラブ賞受賞者はプロ野球の全選手人口の一部に過ぎない。それだけに、ゴールデン・グラブの18人ですべてを決めつけるわけにはいかない。
しかし、秋山や柳田のような並み居る大型選手たちが小柄な選手と変わらぬ俊敏さ、機敏さを兼ね備えているのだから、セ・リーグも厳しい。2013年以来6年間、さすがにパ・リーグが日本シリーズで勝ち続けてきた事実も漠然と納得できた。
そういえば、記念撮影で期せずして中田と隣同士になった
広島・
菊池涼介が背伸びをしておどける場面があった。セ・リーグはこの体格差をどうはねのけ、小よく大を制していくか。日本シリーズで勝ち名乗りを受けるセ・リーグがそろそろ見たいところだ。
ベースボールマガジン2月号
文=佐藤正行(ベースボールマガジン編集長)写真=BBM