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川口和久WEBコラム

強い捕手待望論/川口和久WEBコラム

 

弱気は伝染する


与田新監督の表情は明るかった


 今週は、せっかくキャンプ取材にいったから、前日に続き、もう1本アップしてみよう。

 沖縄キャンプでは、中日与田剛新監督とじっくり話す機会があった。

 彼は同じ投手出身で、引退後、解説者として対談をしたこともある。互いにコーチ経験もあって、話していても共感できるところが多い。

 与田監督が秋季キャンプから選手の「意識改革」について徹底的に取り組んだという話は『週べ』の雑誌のコラムに書いた。
 近年の中日は、素質のある若手、中堅選手が伸び悩み、投手陣は役割をはっきり定め切れない(定めてもらえない)選手が多く、バッターは外国人ばかりが目立つ。

 与田監督は、付け焼刃の補強ではなく、一度、選手の意識の面から変えていきたい、ということなのだろう。

 俺が見ていても、近年のドラゴンズの印象は「もったいない」だった。強かった時期を悪い意味で引きずっているというのか、才能ある若手選手が失敗を恐れ、縮こまってプレーをしているうちに中堅になってくすぶっていく印象があった。
 メンバーを長く固定していた弊害と言われても仕方がない。でも、もう6年連続Bクラスだから開き直って思い切りのいいプレーをしてほしいし、与田監督もそう言っていた。

 春季キャンプはかなり手応えがあった、と言っていた与田監督が、唯一挙げた不安がキャッチャーだった。

 谷繁元信引退後、ドラゴンズは正捕手不在が長く続いている。
 今年もオープン戦では松井雅人大野奨太木下拓哉加藤匠馬らを併用し、絞り切れていない。
 
 強いチーム、それも長く優勝を争うチームに絶対必要なのは、“強いキャッチャー”だと思う。谷繁もそうだったし、かつてのヤクルト古田敦也、ダイエーの城島健司巨人で言えば、阿部慎之助もそうだ。強いチームには強いキャッチャーがいた。

 彼らの強みは、試合の流れを読み、ここぞ、という場面で思い切ったリードができるということだ。
 守っているとき、捕手のリードの弱気は、ほかの野手にも感染する。まあ、投手が逃げ腰になって、というのが多いんだけど、その変えるのは強い捕手の強いリードしかない。ピンチであればあるほど、思い切ったリードをすることで、投手だけじゃなく、野手たちに今度は勇気が広がる。

 もちろん、ただ強気なだけなら無謀で終わる。しっかりした経験と蓄積した信頼感がバックボーンに必要になる。いま挙げた4人は、打撃もよく(谷繁はそうでもないか)、打線でもチームの中心になれた。

 いま12球団で彼らに匹敵する強い捕手はいない。逆にいえば、そういうキャッチャーをつくれたチームが一つ上に行けるのかもしれないね。

写真=BBM

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週刊ベースボール編集部

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