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週刊ベースボール60周年記念企画

サンケイに鉄腕アトムの応援/週べ回顧

 

 昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

王貞治が打てない日の見分け方




 今回は『1966年5月2日号』。定価は60円だ。
 
 4月12日、オープン戦の大不振で株を落としていた南海・村上雅則が東映戦(後楽園)で二番手として登場。プロ初勝利を挙げた。
 村上は前年メジャーで大活躍。南海復帰後は先発と期待され、フォームもサイドからスリークオーターにしたが、これが災いしたか、球のキレをなくし、不振が続いていた。
 その後、以前のように腕を下げ、かつリリーフ中心の起用としたことが復調のきっかけとなったようだ。

 さらに翌4月13日には東映の新人・森安敏明が南海戦で初登板完封勝利。新人の初登板完封勝利は59年、村山実阪神)以来となる。
「いろいろ考えてマウンドに上がったが、あそこに立った瞬間、そのすべてを忘れてしまった。自分では65点くらいです」
 謙虚な言葉とは裏腹に、大勢に報道陣に囲まれながらも平然。強心臓ルーキーの登場だ。

 デマだったようだが、松下電器への身売りのニュースも出た西鉄が開幕前に選手に配った印刷物が話題というか、いくらなんでもと批判されていた。
 それは、この年、優勝できなかった場合、選手は一律参加報酬を10パーセントカットする、コーチはその担当にしたがって責任をとってもらう、2年計画でチーム改革を行い、2年後に不必要と思われる選手はベテランも新人もやめてもらうという厳しいもの。
 累積する球団の赤字が親会社の経営を圧迫していた。

 これまでも応援団はあったが、日本プロ球界初の組織的応援と言われたのがサンケイ・アトムズ。若い3人のバトンガールが待機し、イニングの合い間、『鉄腕アトム』の音楽に合わせて踊り、あちこちで鉄腕アトムなど、さまざまな着ぐるみで仮装したリーダーたちがサンケイの旗を振る、というものだった。

 4月16、17日と甲子園での巨人戦に連勝した阪神。杉下茂監督の「王貞治が打てない日の見分け方」が面白い。
「荒川(博)コーチがフリー打撃で手取り足取りフォームを教えているときだよ。満座の中で荒川コーチに一本足の真似をして教えられたら王だって面白くないさ。プライドがあるからね。そういうときは、試合でも打てない」

 では、またあした。
 
<次回に続く>

週刊ベースボール編集部

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