週刊ベースボールONLINE

週刊ベースボール60周年記念企画

大洋・佐々木吉郎の完全試合/週べ回顧

 

 昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

榎本喜八、打率4割挑戦


表紙は南海・村上雅則


 今回は『1966年5月16日号』。定価は60円だ。
 
 連勝スタートと順調なスタートを切った三原脩監督率いる大洋。だが、3戦目に南海から獲得したスタンカを先発させて落としたあたりから急降下。明らかな調整不足のスタンカを中部オーナーの指示で先発させたから、とも言われた。

 4月21日からは7連敗で最下位にドカリと座り、早くも三原監督休養説がまことしやかに言われ出した。
 連敗が止まったのは5月1日広島戦ダブルヘッダー(広島市民)の2試合目。それも佐々木吉郎の完全試合だ。

 佐々木は、前年65年は故障もあって勝ち星なし。首脳陣は佐々木を第1試合のリリーフとして準備させていたが、出番がなく、
「いけるところまで行ってくれたら」と急きょ先発させた。
 太っているうえに、酒好きの佐々木を首脳陣はスタミナ面で不安ありと見ていたこともある。それがあれよあれよの快挙達成。
「完全試合は意識していました。8回まで持ちこたえたときは、やれると思いました。しかしパーフェクトは一人ではできませんからね。運がよかったです」
 と汗を拭きながら佐々木は喜びを語った。実は昨年の故障以来、好きな酒も控えめにしていたらしい。

 2年連続で打率3割を切っていた東京の榎本喜八が久々に好調。4月28日現在、打率4割を超えていた。好調の理由を聞くと、
「なにも秘密はないですよ。毎日一生懸命やっているだけ。とにかく打てる球がくるから打っているだけ。どうしてそんな球を投げるのか投手に聞いてください」
 とこの人らしい答えだった。
 打席に入る際、自分のバットに加え、2本のマスコットを持って2、3回スイングし、その後、マスコットバットをポンとほうる新しいルーティンも話題となっていた。

 では、またあした。
 
<次回に続く>

写真=BBM


週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング