昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。 韓国からニクイ奴来日?
今回は『1966年7月18日号』。定価は60円だ。
8時半の男と言われ、前年20勝を挙げた巨人・
宮田征典が、6月29日急性肝炎のために入院した。5月ごろから体のだるさを訴え、顔が黄色っぽくなっていたという。
本人は「風邪と疲労だと思う」と話していたが、診察した医師は、「薬の副作用かもしれない」と言っていた。周囲は強すぎる漢方薬を飲んだせいでは、とウワサしていた。
実は、当企画の担当者は、生前の宮田にこの件を聞いたことがある。「迷惑がかかる人がいるから、はっきりとは言えない」と言いながらも、薬が選手生命を短くする原因であったことは認めていた。
東京に韓国京城中央高の
李源国(18歳)が入団した。身長185センチの大型投手だ。誘ったのは、永田雅一オーナー。アジア映画祭のため韓国に行った際にウワサを聞き、自ら足を運んで声をかけた。
「選手をスカウトするのは初めてだが、ズブの素人じゃあるまいし、そう狂いがあるもんか」
自信満々の永田だった。背番号は「29」。永田によれば「ニクイ奴という意味なんだ」という。
また以前の回で多少物議を醸した(?)ビール好きで18歳、近鉄・
鈴木啓示だが、ウイスキーを飲まない理由は「関節に悪いから」だという。
6月25日には
広島市民球場で「婦人子供デー」が行われた。母親、子どもを外野席に無料で招待するというもの。4000組だから8000人になる。
発案者は松田オーナー。球団関係者は当初、サン
ケイ、
中日、大洋戦のいずれかをあてるつもりだったが、松田オーナーにこう一喝された。
「ファンはもっと大事にせんといかん。満員にもならんようなカードではファンをバカにすることになる。だれでも見たい巨人戦を婦人や子どもに開放してこそ意味があるんだ」
では、また月曜日に。
<次回に続く>
写真=BBM