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球界デキゴトロジー/4月13日

巨人・上原浩治が指先で確かめる初めての味(1999年4月13日)

 

プロ初勝利を挙げ、お立ち台に上がった上原


 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は1999年4月13日だ。

 どんなに「スーパー」だろうが、またいかなる「怪物」であっても、ルーキーはルーキーである。初めての勝利、初めてのヒット、初めての本塁打は、このあとどれほどの大記録の主になろうとも決して忘れられないはずである。

「初勝利が目標でしたが、1勝が目標ではありません」

 こんな不敵なコメントを用意していた、この男だって同じである。

 東京ドームの一戦、巨人上原浩治はプロ初勝利を挙げた。広島を7回3安打に抑え、見事に4連敗のチームを救ったのだ。

 お立ち台に立った上原は、ジャビット人形を抱え、その右手には槙原寛己から手渡されたウイニングボール。新人らしからぬ気丈さでインタビューに答える間にも、さまざまな握りでボールをまた握り締める。勝利の味を、自分の力のありどころを、もう一度、手のひらで確かめているようだった。

写真=BBM
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