史上2人目の「先発100勝、100セーブ」を達成した佐々岡(右)はナインに祝福される
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は2006年5月4日だ。
「今日は1点の援護で十分だったね」と
広島のブラウン監督は左ウチワだった。神宮球場で行われた
ヤクルト戦に先発した
佐々岡真司が素晴らしい投球を見せた。5回まで出した走者はたった2人。1人は一塁手のエラーで出したものだから、打たれた安打はわずかに1本だった。
佐々岡は6回裏、一死から連打され初めてピンチを迎えたが、三番・
岩村明憲を三振、四番・
ラミレスを二ゴロに仕留めて6回を無失点で切り抜けて2番手へ。ブラウン監督の言うとおり、1点で十分の試合で、広島は4対0でヤクルトに完勝した。
前年はわずか1勝の佐々岡は早くも3勝目。実はこの3勝目が大変な記録を達成させたのだ。90年に広島へ入団以来、これが通算131勝目だが、先発勝利はちょうど100勝目。セーブは通算106で、佐々岡はこれで「先発100勝、100セーブ」を達成した2人目の投手となった。
もう1人はチームの大先輩・
江夏豊。「これまで江夏さんしかいないのがうれしいねえ」と佐々岡は本当にうれしそうな顔をした。
写真=BBM