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セ・リーグ6球団、開幕投手の現状は?

 

シーズンが開幕してから2カ月が過ぎ、交流戦もスタートするが、果たして開幕投手はしっかりと投手陣の中心的存在としてマウンドで仁王立ちしているのか。ここではセ・リーグ各球団の開幕投手の現状を見ていこう(記録は6月3日現在)。

読売ジャイアンツ



 開幕戦こそ広島大瀬良大地との投げ合いで黒星スタート(7回1失点)となった菅野智之だが、その後は7戦で5勝を積み上げた。ただし、序盤戦は失点も多く、5月15日の阪神戦(甲子園)では自己ワーストの10失点。2年連続沢村賞右腕が防御率4.36はらしくない。その後、22日のDeNA戦に登板予定も、直前の調整で腰に違和感を覚えて登板を回避、登録も抹消され、三軍での調整に回った。最短10日での復帰はかなわず、6月2日にようやくブルペン投球を再開。交流戦期間中の復帰が見込まれる。

阪神タイガース



 球団タイ記録となる5年連続6度目の開幕投手を務めたメッセンジャー。今季、矢野耀大新監督となっても、その信頼は絶対的だった。3月29日のヤクルトとの開幕戦(大阪ドーム)では7回1失点(勝敗つかず)でエースらしい投球を見せた。今季38歳を迎え、全盛期の150キロを超える剛球投手から、さまざまな球種を交え、打たせて取る投球にスタイルが変わっている。その後、試合途中、右腕に打球を当て登録抹消となった時期もあった。復帰後すぐに完投勝利を挙げたものの、2勝5敗、防御率4.71と勝ち星に恵まれていない。交流戦前の5月25日のDeNA戦(横浜)で135球を投げたこともあり、1回先発ローテを飛ばし、リフレッシュした形で交流戦で再スタートを切る。

中日ドラゴンズ



 初の大役を担った笠原祥太郎は、先発ローテーションを守りながら、安定した投球で4試合2勝無敗と台所事情の苦しいチームを支えていた。しかし、4月下旬、不整脈のような症状を訴えて先発を回避すると、「発作性上室性頻拍」と診断され、登録抹消。その後はカテーテルアブレーション治療を行い、症状は改善、現在は二軍でリハビリに取り組んでいる。診断の結果、特に運動の制限はないようで、すでに投球練習も再開しており、実戦復帰も間もなく。一軍への合流は、二軍での登板を経てからとなる。

広島東洋カープ


広島・大瀬良大地


 昨年までの僚友・丸佳浩(巨人)から4三振を奪う鮮烈な勝利を開幕戦で挙げた大瀬良大地は、その後もきっちりと先発ローテーションを守って投げ、ここまで10試合に登板して5勝2敗、防御率はリーグ2位の2.04と安定した投球を見せて投手陣を引っ張っている。10回の先発のうち、クオリティースタート(先発して6回以上投げ3自責点以内)ができなかったのはわずかに2度だけ。また、自身で「一回でも多くしたい」と目標にしているハイ・クオリティースタート(先発して7回以上投げ2自責点以内)も6度に上っている。4月25日の中日戦(マツダ広島)では5年ぶりの完封勝利も達成。交流戦でももちろん投手陣の軸になる。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・小川泰弘


 エースでも大型連敗はストップできなかった。5月30日の広島戦(神宮)では5回途中9安打7失点と炎上した小川泰弘。昨季王者に0対13という大敗を喫し、連敗は「14」まで伸びてしまった。阪神との開幕戦(京セラドーム)では7回4安打1失点の力投を見せたが、チームは延長サヨナラ負け。今季初勝利をつかんだのは約1カ月後の5月3日で、ここまで1勝7敗、防御率5.37と本来の投球ができていないのが現状だ。チームの大型連敗は「16」で止まり、交流戦に突入する。これの機会を浮上のきっかけにできるか。

横浜DeNAベイスターズ



 劇的な復活と言ってもいいだろう。昨季4勝11敗、防御率6.80と失意のシーズンを味わった左腕・今永昇太が、ここまでハーラートップの6勝(2敗)、防御率も1.47とリーグトップの安定感だ。復活の最大の要因は、安定しなかったフォームを徹底的に見直したこと。豪州ウインター・リーグをはじめシーズンオフに左腕のテークバックを修正すると、ストレートにかつてのキレが戻った。昨季の交流戦は、ソフトバンク戦3回6失点、オリックス戦6回途中6失点と打ち込まれた。あれから1年。自信に満ちあふれた姿で、パ・リーグの強力打線に向かっていくつもりだ。

写真=BBM
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