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「雑草魂」を胸に。大記録で都市対抗出場の力となったNTT東日本・大竹飛鳥

 

東京都第二代表決定戦でノーヒットノーランを達成した大竹


 2年ぶりの都市対抗予選出場となったNTT東日本は6月3日の東京都第一代表決定戦の鷺宮製作所戦で1対2の僅差で敗れたが、翌日の明治安田生命戦で1対0と勝利し、東京第二代表として4年連続43回目の都市対抗本戦出場の座を手に入れた。

 この日、グラウンドで注目の的となったのは、間違いなく大竹飛鳥だ。都市対抗への切符を争う緊迫した試合で14三振を奪い、自身初となるノーヒットノーランを達成したのだ。

「ノーヒットノーランは本当にたまたま。それよりもゼロで抑えることができたことのほうがうれしい。年を重ねて、スピード勝負よりも、バッターを見ながら投げる投球術は上がったと思う」と試合を振り返った。

 大竹は小学3年から野球を始め、愛知高時代はショートを務めた。投手に転身したのは大学に入ってから。いろいろな大学のセレクションに落ち、投手だったら枠があると言われ、関東学院大に入学したのがきっかけだ。

NTT東日本ナイン


 入社12年目となる今年。ベテランとしてプレーを続けるための原動力を、元巨人上原浩治の言葉を使って、「雑草魂」と大竹は表現する。

「エリートには負けたくないという気持ちでここまでやってきた。自分は甲子園に出ているわけでもないし、大学だって東都や六大学といった華やかなものではない。だからこそ、人一倍、エリートには負けたくないという気持ちが強い」と温和な見た目とは裏腹に、言葉の一つひとつは力強い。この気持ちの強さもベテランを輝かせる秘訣なのだろう。

「去年は本当に悔しい負け方をした。今年は絶対に優勝がしたい。優勝することしか見えていない。会社をあげて応援に駆けつけてくれる方々のためにも頑張りたい」と都市対抗優勝への思いを語る大竹は本戦でも雑草魂を見せ、マウンドで躍動してくれそうだ。

文・写真=豊島若菜
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