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大阪桐蔭、履正社が2強だが混戦模様 高校野球大阪大会上位進出校予想

 

チームの骨格づくりが遅れた大阪桐蔭


この夏、甲子園夏連覇がかかる大阪桐蔭のナイン。春の府大会では5回戦で姿を消したが、さて、夏は?


 7月6日に開幕する高校野球の大阪大会。今年は、昨夏甲子園優勝の大阪桐蔭(昨年は北大阪代表)が夏の全国連覇を狙うことになるが、その大阪桐蔭も春の府大会では5回戦で近大附に敗れる波乱。さらには春のセンバツに出場した履正社も準々決勝で大商大高に敗れ、大阪府大会は昨秋と今春でベスト4の顔ぶれがすべて入れ替わった。夏の組み合わせがノーシード(ただし3回戦までは北地区、南地区に分かれる)のため、他の都道府県ほど春の大会が重視されない大阪ではあるが、やはりこの結果は混戦の様相を示唆している。6月21日に行われた組み合わせ抽選会の結果を踏まえ、上位進出校を占ってみたい。

 戦国時代と言われるこの夏の大阪。だが、ではどこが代表の座を手にする可能性が高いか、と考えると、やはり近年「2強」と言われている大阪桐蔭、履正社の名が挙がる。

 まず、夏の全国連覇、夏の大阪3連覇を目指す大阪桐蔭。昨年は春夏と全国優勝を果たし「黄金世代」と言われたが、夏にベンチ入りしていた現3年生は2人。ややチームの骨格づくりは遅れたようだ。ただ、やはり層の厚みはNo.1。本番までには形を作ってくるはずだ。組み合わせは、2回戦からの登場で、初戦は今春4回戦進出の東淀川、3回戦ではともに昨夏北16強の常翔学園と早稲田摂陵、そして公立の茨木から勝ち上がった学校と、中堅校のそろうゾーンに入ったが、大会序盤での波乱までは考えにくいか。

 一方、センバツに出場した履正社は、投打の軸がはっきりしており、チームの骨格が固まっているのは強みだが、この春は前述のとおり8強止まり。また組み合わせも楽ではない。2回戦からの登場だが、初戦は公立勢では力のある池田、そして勝ち上がっても、順当なら春の準優勝校で2年生の好投手・石井康輝を要する箕面学園との対戦となる。ただ箕面学園も初戦の相手は春に4回戦まで勝ち上がっている都島工で、油断はできない。

 さて、この夏大阪No.1と言われる好投手の上田大河の好投で、春に履正社を破ったのは大商大高。その勢いのままに春の大阪を制し、期待も高まっているが、厳しいゾーンに入った。初戦がこの代のチームから元ロッテ喜多隆志監督が指揮を執る興國との対戦、さらに3回戦では順当にいけば昨秋大阪4位の大商大堺が待ち構えることになる。

 今春に大阪桐蔭を破った、昨夏南大阪代表の近大附も、強豪ゾーンに入った。桃山学院や泉尾工を破っていっても、東大阪大柏原と信太の勝者が待ち、気の抜けない戦いだ。

ノーシードならではの激戦


 このほか、戦力的に頂点に立ってもおかしくないのが、4年前の代表の大阪偕星学園と東海大大阪仰星だ。ともに3回戦が序盤のヤマ。順当に進むと、大阪偕星学園は昨秋4回戦進出の精華、東海大大阪仰星は常翔啓光学園、枚方津田、牧野のいずれかが相手。大体大浪商も有力校だが、初戦が天王寺、勝ち進んでも、順当なら3回戦で近大泉州が待つ。

 センバツ21世紀枠の候補校となった八尾は同じブロックに清教学園、今宮などが入った。このほか、同じブロックに強敵が入ったケースとしては、同志社香里と大阪、太成学院大高と星翔、港と寝屋川、大阪学院大高と大産大附、岸和田産と阪南大高、懐風館と堺西、上宮とかわち野、初芝立命館と堺などが挙げられる。さらには槻の木、北摂つばさ、汎愛、桜塚が入ったブロックや、旭、大冠、吹田のブロックに関西創価、交野、春日丘のブロック、大阪学芸、上宮太子、狭山のいるブロックは混戦模様で予想がつかない。

 残るブロックでは、関大北陽、関大一、大阪市立、金光大阪、豊島と渋谷の勝者、花園、浪速、鳳、大塚、高津がベスト32有力か。70年前のセンバツ覇者の北野、56年前の夏の全国覇者の明星など、野球で全国実績を持つ進学校もベスト32の可能性は十分だ。

 今年も序盤からノーシードならではの激戦は必至。熱い戦いを期待したい。

文=藤本泰祐 写真=BBM
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