熱戦が繰り広げられている高校野球大阪大会。果たして、甲子園の切符をつかむのはどのチームか。主役となるであろう、注目選手をクローズアップする。 坪井悠太(つぼい・ゆうた)
投手&外野手/178センチ85キロ/右投左打/3年
今年の大阪を代表する二刀流だ。“投げる”“打つ”のどちらが好きかと尋ねると「どっちも好きですけど……」と、しばらく考え「打つほうです」。どちらに自信があるかと尋ねると、これには一呼吸ののち「投げるほうです」。
中学時代は投手と外野を兼任し、高校では野手スタート。2年の夏前から二刀流へ復帰し、秋は府大会準々決勝(大体大浪商戦)で完封勝利。しかし、続く大阪桐蔭戦は本調子を欠き、3位決定戦(大商大堺戦)では股関節を痛め、近畿大会は登板できず。今春もヒジの違和感のため大事を取り、「三番・センター」で出場を続けた。
投手としては球速豊かなストレートにスライダー、チェンジアップ。一番の自信球にはスライダーを挙げる。理由は「真っすぐよりスライダーのほうが投げていて気持ちがいいのと、真っすぐはまだ指に掛かりきってない感じがするんです」。ただ、ストレートに関しては、しっくりときていない分「つかめば、もっといけそうな感じはあります」とも。
打者としてはライナーでスタンドインの迫力を秘める一方、逆方向の打球も多く、広角にヒットゾーンを持つ。動画などでバッティングを見て参考にしているNPBの選手には
秋山翔吾(
西武)の名を挙げる。
「打席ではいつもセンター方向を意識しています。引っ掛けた打球が一番よくないので引っ張りたい気持ちを結構抑えて打っています」
コンディション面の不安も消え、夏のカギを握る大阪偕星学園のキーマン。
「投げるも打つも、とにかくやるだけです」
大会では一番起用の可能性もあり、「一番・ピッチャー」として混戦の夏を沸かせているかもしれない。
文=谷上史朗 写真=BBM