8月に入り、ようやく本来の投球を取り戻した
完全復活を印象づける見事な投球だった。
ヤクルトのブキャナンが8月18日の
中日戦(神宮)に先発し、8回4安打無失点で今季3勝目をマークした。
昨季は開幕投手を任され、2ケタ勝利をマークするなど、先発陣の中では信頼度の高い右腕だったが、今季はここまで6敗と不調が続いていた。それでも8月に入って調子が上向くと、6日の
阪神戦(神宮)で2勝目。この日は多彩な変化球を低めに集め、14個の内野ゴロを打たせて、スコアボードにゼロを並べていった。
冷静沈着なマウンドさばきとは裏腹に、試合後は感極まった。笑顔でお立ち台に上ったものの、スタンドにアシュリー夫人、昨年生まれた長男・ブラッドリー君の姿を見つけると、思わず目を潤ませた。「目の前にいてウルッときてしまった。家族の応援が力になっている」。
そして最後はお決まりの日本語フレーズ「オトウサン、ガンバリマス!」。苦難を乗り越えながら、異国の地・ニッポンで家族とともに必死に戦っている。
写真=BBM