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楽天CS進出へのキーマンは進化する左腕・辛島航だ!

 

9月7日の西武戦(楽天生命パーク)で自己最多の9勝目を挙げた辛島


 9月に入り、楽天はロッテと熾烈なCS進出争いを繰り広げている。9月3日からの敵地でのソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で3連敗となり4位後退。残り15試合を切る中で負けられない戦いが続いている。この戦いを勝ち抜くには先発投手陣がいかに試合を作れるかが重要になるだろう。その中で注目したいのが先発に復帰した辛島航だ。

 9月7日の西武戦(楽天生命パーク)は是が非でも勝利が欲しい一戦だった。前述したソフトバンク戦での3連敗のあと、ホームで2位・西武を迎えた初戦を1点差で落としチームは4連敗。このままズルズルと後退することも予想された。その大事な先発マウンドを任されたのが辛島だったが、そこで5回2失点と粘投しチームの連敗を止め、チームトップで自己最多の9勝目を挙げた。

「先発としてもう少しイニングを投げないといけない」と反省を口にしたが、この日3打点の島内宏明が「辛島を援護できて良かった」と言えば、9回にマウンドに上がった守護神の松井裕樹も「辛島さんに勝ちをつけたい気持ちだった」とコメント。厳しい戦いが続くチームがさらに一丸となっている。だが、この団結力を生んだのは辛島の8月の働きがあったからこそ、だ。

 楽天は夏場に苦しい戦いを強いられていた。弓削隼人の台頭や岸孝之の体調不良からの復帰など明るい話題はあったが、中継ぎの高梨雄平が急性虫垂炎で離脱。前半からフル回転していた中継ぎ陣の負担が増し、“逆転イーグルス”の勢いは薄れてしまった。しかも、7月30日から8月8日までは10連戦。まさに正念場だった。

 そこを乗り越えるべくチームが下した決断が、辛島の中継ぎ起用だった。辛島は自らの能力を生かし、第2先発や回またぎなどあらゆる場面でマウンドに上がり中継ぎ陣をカバー。さらには高梨の役割でもあった左のワンポイントとしても登板した。

 則本昂大、岸を欠く前半戦、美馬学とともに先発の柱として奮闘していながら、「言われたところで投げるのが仕事」と7月25日の先発を最後に約1カ月間、慣れないポジションで必死に腕を振り続けた。

 先発復帰となった8月31日の日本ハム戦(楽天生命パーク)から2連勝。自身初の2ケタ勝利へ王手をかけた。プロ11年目、さまざまの経験を積む中で先発投手としてさらなる進化を見せる辛島。次の大事な1勝はチームにとっても重要な1勝になることは間違いない。

文=阿部ちはる 写真=井沢雄一郎

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